
- 不妊治療をするにあたって夫婦で話しておくべきことがあれば教えてください。
- 不妊のことで夫、妻と相談しようと考えていますが、どういうことを決めたらいいの?
- 夫婦で決めておくと不妊治療がスムーズに進むことがあれば教えてほしい。
こんな疑問にお答えします。
不妊治療をただ漠然と開始しようとしていませんか?
治療を始める前に夫婦で話し合って決めるべきことがたくさんあります。
この記事では不妊治療を始める前に夫婦で絶対に話し合って決めておくべきポイントを3つ説明していきます。
この記事を読み終えた頃、早速ご夫婦で不妊治療についてもっと深く話し合いをしたくなるはずです。
- 不妊治療の前に夫婦で絶対に話し合うべき内容がわかる
- 話し合うことで夫婦で優先順位を共有でき、妊娠へ向けて協力することができる
- 妊娠に対するストレスが軽減され、妊娠の確率が上がる
どこかで夫婦の話し合う日を決めて、夫婦二人でしっかりと不妊治療に取り組んで欲しいと願っています。
不妊治療前に夫婦で話し合うべき3つのこと
不妊治療というのは辛く、厳しいものです。これは断言できます。
なぜならゴールが見えず、ずっと暗いトンネルを歩いて彷徨っているような感覚だからです。
現代の医学をもってしても必ず妊娠まで至る方法はありません。そして不妊の原因がわかるならまだしも、原因がわからないこともよくあります。
なかなか妊娠しない場合、できる限りパートナーと共に通院することが望ましいですが、不妊治療における検査は生殖関連のデリケートな要素を含むため、抵抗を感じるかもしれません。
ただなんとなく行った病院で不妊と診断され、いつの間にか言われるがまま進めていたら夫婦で長い間不妊治療をしていた、なんてケースはよく聞きます。
ですから、夫婦共々ある程度の覚悟を決めて治療に臨む必要があります。
治療を始めて「こんなはずじゃなかった」という事態にならないようしっかりと夫婦で話し合っておきましょう。

ここでは不妊治療スタートに向けて夫婦二人で話し合って決めておいて欲しい内容を3つ紹介します。
①どこまで治療を継続するか?
一番大きなテーマです。妊娠は奇跡の一つです。いくつもの条件やタイミングが合って初めて妊娠し、出産します。
若いカップルが自然妊娠を望んだ場合でもタイミングを合わせて1回の性交で妊娠する確率は20%ほどと言われています。
妊娠の確率についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
それ故、不妊治療を開始すればすぐに妊娠するというわけではありません。
1年で出来るか、5年で出来るか、10年経ってもできないか、それは人それぞれです。
10年以上治療を続けている人も「どこで辞めていいのかわからない」「あと1回したら出来るかもしれない」こういう風に思うのです。本当に私もそうでした。これは経験者にしかわからないと思います。
そして「どこまで」という内容には3つの上限かあります。
- 治療時間の上限
- 治療費の上限
- 治療段階の上限
治療時間の上限
1つ目の上限は治療時間です。いわゆるタイムリミットをある程度決めておく必要があるのです。
不妊治療は妊娠するまでずっと続けていくことになります。
治療期間が長くなれば、精神的にも経済的にも苦しくなりますので、夫婦で治療のリミットを決めておきましょう。
産んで育てるという期間を考えて年齢でリミットを設けたり、大体の治療費を見積もって5年間という年数で区切ったり、夫婦の考えで期間を決めるべきです。
当然ご夫婦の年齢にもよると思います。
治療費の上限
2つ目の上限は治療費です。治療期間が長くなると当然治療費も増えていきます。
しかも不妊治療には保険適用外の治療や検査もありますので、思った以上にお金がかかります。
どの治療にどのくらいの費用が必要で、上限いくらまで使えるか、しっかりパートナーに理解してもらい、話し合いましょう。
治療の中には体外受精や顕微授精などもあり、1回40万、60万の世界です。
地域によっては不妊治療の助成金や相談窓口があります。
この上限を設定していないと、いつ辞めて良いのかわからず、本当はもう辞めたい、辞めてほしいと思ってもパートナーに伝えられないでそのままズルズル進めてしまうケースがよくあります。
気が付いたら将来用に貯めていた貯蓄を500万、1000万つぎこんでしまっていたなんて話はそこら中に転がっています。
考え方は人それぞれですが、男性からすると車1台購入できる金額で子供一人授かれたら許容範囲ではないかという意見が多い気がします。

約250万程度ですね。
治療段階の上限
3つ目は治療段階による上限です。
治療には段階があります。何度か試して妊娠できなければ、次の治療へと段階が進んでいきます。
タイミング法→人工授精→体外受精→顕微授精
人工授精や体外受精など、段階が進めば身体や精神的負担も上がりますし、治療費も増えます。どの程度までトライするか、事前に話し合っておきましょう。
価値観というものは夫婦であってもそれぞれで違います。価値観が近いから結婚まで至ったかもしれませんが、妊娠への考え方まで事前に話し合っているご夫婦はそれほど多くはありません。
一般的には人工授精までで妊娠したいと思うはずです。体外受精より上になると本当に人工的となってしまうからです。

人工授精と体外受精の間には大きな壁が存在しているのです。
どの治療までは頑張りたいのか、自分はこの治療には反対だ、という具体的な話し合いはしておくべきでしょう。
そうすることで不妊治療のスタートから本気で取り組む姿勢に変わっていくはずです。
妊娠は1人では成り立ちませんので、不妊治療もパートナーの協力が必要です。ですが、体への負担はどうしても女性の方が大きいので、女性は1人で治療しているような気持ちになりがちです。
女性が辛い気持ちを抱えないためにも、旦那様との話し合いはしっかりしておきましょう。
また、不妊治療も不妊検査も女性への心身の負担が大きいこと、さらに男性側の不妊原因が今では50%の割合であるということを鑑みると、男性側こそ女性より先に検査を行うべきでしょう。
なぜなら男性の検査は言葉は悪いですが、ただ射精すればいいだけです。痛みや不快感なんて少しもないからです。
まず精子を調査!【精液検査の方法と費用】今や自宅で出来るキットもで精液検査について説明しています。
②男性・夫の協力
夫婦で不妊治療をすると決めても、治療の中心になって頑張るのは女性の方が多いです。男女どちらに不妊原因があったとしても、通院回数や体への負担は女性の方が大きいのは致し方のない事です。
男性の中には不妊治療に協力をするけれど、あまりに生々しい話は聞きたくないという人もいますし、自分自身の検査結果が悪くてもそれを信じない人もいます。
治療を始めてからそういう男性だったとわかるケースもありますので、最初に「あなたはどこまで協力できるの?」「あなたはどこまで詳しく話を聞きたいの?」と聞いておくべきです。
不妊治療中、女性は薬の副作用で苦しんだり、頻繁な通院で精神的に参ったりします。男性には初めはなかなか理解できないかもしれません。
しかし女性の精神的不安定は自分ではどうにもできないことだったりします。
そんなとき、家事をしたり、料理ができなくてもお弁当を用意したり、精神的に参っていて当り散らす奥様を許せますか?
協力するということは家事をしたり料理をしたりすることだけではありません。
精神的に参っている奥様を支えること。これこそが協力です。
③周囲への協力や理解
協力・理解を得るには、カミングアウトが必要です。
しかし内容が内容のため、なかなか話しずらく、話せる相手も選んでしまうほどです。
不妊治療を始めてすぐに話をするのか、迷惑をかける段階になってから話をするのか考えておきましょう。
特に女性は頻繁に通院する時期があるので、会社に遅刻したり早退することもあります。薬の副作用で出勤できない日があるかもしれません。
上司や同僚に「不妊治療しています」とカミングアウトするには勇気が必要です。
しかし、会社に迷惑をかけるようなときはせめて上司にだけは本当のことを話しておきましょう。
そして、自分たちの親にはどうするかが大きな問題です。
古い考えの人の中には「子供ができないのは嫁が悪い」と思っている人もいます。カミングアウトすることで酷い言葉を投げつけられるかもしれませんし、どんなに説明しても理解してもらえないかもしれません。
そういう時は旦那様が頑張ってくださいね。
不妊治療をしているとカミングアウトするのはいつにするかを話し合ってください。
不妊治療を始めてすぐにカミングアウトするのか、気づかれるまで放っておくのか、最後まで黙っておくのか。ご夫婦で相談するべき内容です。
不妊治療中の夫婦喧嘩の原因
ただの夫婦喧嘩とは違います。対応を間違えると離婚にまで発展しますのでただ事ではありません。
不妊治療中の喧嘩はおそらくほぼ全ての夫婦間で起こっていることでしょう。

その原因をご存知でしょうか?
結論から言うと、男性と女性の認識の違いが原因です。
これを男性側も女性側も理解できない為、衝突が起こります。
衝突が起こった内容はただの誘発剤でしかなく、根本的な原因はほとんどがこの不妊治療への認識の違いからくるものです。
- 男性は妊娠を「いつかできるもの」と考え、不妊は妻に原因があると考えます。
- 女性は不妊を「夫婦二人でしっかり頑張らないと授からないもの」と考えます。
ここが違うため、これからの全ての言動が少しずつ食い違い、衝突が生じるのです。
当然それ以外にも、治療が上手くいかないイライラなどで衝突することもあるでしょう。
しかし、大前提として、認識の違いをまずは理解しないことには必ず夫婦仲はこじれます。これは断言できます。
男性は気づいて!奥様の方が大変なんだよ
私たち夫婦はこれらをあまり考えずにスタートしてしまったことを後悔しています。
それで夫婦仲がギクシャクしてしまったり、治療に時間が掛ってしまったりと。妻の状態を気遣う気持ちに気づくまで色々と大変でした。
男性は言葉悪く言うと、基本的にはただ精子を射精すればいいだけです。奥様の負担が非常に大きいです。
もし男性である旦那様に不妊の原因があったとして、手術等まで行ったとしても奥様の協力なくして妊娠はできません。
どちらにせよ奥様の負担があることには変わりません。
旦那様は自分が大変だと感じても、それ以上に奥様は大変だということを忘れないでください。

相手を思う気持ちがあれば何でも耐えられるはずです。
まとめ
- 不妊治療をする前にどこまで治療をするのかを夫婦で決めておく必要がある
- どこまでとは、時間、治療費、治療段階の3つである
- どうしても男性より、女性に負担がかかるため、男性がどこまで協力でき、してくれるのかを話しておく必要がある
- 職場や周囲へカミングアウトし、協力を仰ぐのかどうかについて話しておく必要がある
不妊治療、妊娠、出産は人生の大きなイベントです。そして夫婦二人で行うべき、行わなければいけないものです。
不妊治療中はお互い、もしかするとそんなつもりはないのにパートナーに辛く当たってしまうこともあるかもしれません。
イライラと不安でそれは誰にでもあることだと思います。
そこで夫婦仲が悪くなり、離婚にまで発展することもありますので、その意味でも初めにしっかりと話し合って意見を合わせて進んでいってください。
今では男性が不妊原因である割合は約50%となっています。
奥様の検査や治療は時間と身体的・精神的負担が大きい為、まずは旦那様であるあなたが検査を行うべきですし、次第にそういう風潮になりつつあります。
男性はまず精子を射精して精液検査を受けるだけです。非常に簡単です。自宅でも精液検査は調べることができますので、不妊治療を病院でスタートさせる前にやってみるのもいいと思います。
さらにあなたの努力次第で私のように精子力を向上させ、妊娠しやすい精子に改善できる可能性も十分あります。
ご夫婦の年齢がまだ若く、余裕がある場合や、どうしても病院へ行きたくない、行けないというご夫婦は検討してみる価値はあると思います。