
- 精索静脈瘤の進行具合が知りたい
- 精索静脈瘤にグレードがあるみたいですが詳しく知りたい
- 今の自分の状態が良いのか悪いのか判断したい
- 若くても精索静脈瘤になるのか知りたい
- 何歳くらいで発症する人が多いですか?
こんな疑問にお答えします。
- 精索静脈瘤の進行具合がグレードにより判断できる
- 何歳くらいで精索静脈瘤になる可能性があるのかがわかる
- 早期治療をすることで、結果、将来妊娠の可能性が高まる
精索静脈瘤であるとわかった時点でどれだけ自分の症状が進行しているのか理解したいものです。
精索静脈瘤はその程度によって治療方法が変わってきます。
精索静脈瘤 3つのグレード
精索静脈瘤にはその進行具合や程度によって3つのグレードに分けられます。
グレード1が最も軽度でグレード3が最も重症と位置付けられています。
精索静脈瘤は自然治癒は不可能ですので、薬物療法や手術が主な治療方法となりますが、グレードによって治療方法が違うのです。
- グレード1:サイズ小:超音波検査か立位腹圧検査で発覚
- グレード2:サイズ中:目視ではわからず、立位の触診で発覚可能
- グレード3:サイズ大:目視で判断可能
ではグレードの中身を1つずつ確認していきましょう。
精索静脈瘤グレード1
グレード1は精索静脈瘤によるコブやしこり、腫れの具合がまだ小さなサイズで、超音波検査で発見することができる状態です。
自覚症状がこの時点である人は少なく、気にすることなく放置してしまうことが多い状態と言えます。
病院やクリニックによっては超音波検査ではなく、立位腹圧検査で判断する所もあります。
立位腹圧検査とは、立ち上がった状態で、お腹に力を入れることで陰嚢の血流が一瞬滞り、それにより血管が膨れ上がることで触診して確認するというものです。
ただこの場合、本当にできたばかりで小さな精索静脈瘤は発見が困難でしょう。
ここで問題なしとなった場合、精索静脈瘤であるのに放置することになりますので重症化するケースもあるので注意してください。
グレード1の場合、まだ手術が必要な段階ではなく、薬物療法で治療することになるでしょう。
精索静脈瘤グレード2
グレード2は精索静脈瘤によるコブやしこり、腫れの具合が中サイズで、目視ではまだ判断できないものの、立位による触診で確認できる段階のものを言います。
立位ではなく、もし座った状態で確認された場合、受診する病院を変えてみましょう。
明らかに精索静脈瘤への知識が少ない医師の可能性があります。
グレード2の場合は、あなた自身でもある程度の判断が可能な状態です。
お風呂上がりなど、陰嚢がたるんでいる状態で確認してみても良いと思います。
グレード2の場合、薬物療法による治療も可能ではあります。
ただ、グレード3に近い状態の場合は手術が必要となります。

判断は担当医師によりますので指示に従った方が良いと思われます。
精索静脈瘤グレード3
グレード3は精索静脈瘤によるコブやしこり、腫れの具合が大きく、触ることなく目視によって判断が可能な状態になります。

当然本人は少し前からわかっていたはずで、受診するのが遅かったと判断されます。
グレードが3の場合は薬物療法での治療は不可能と判断され、手術に進みます。
あまりにもひどい状態の場合は、早期手術を促される場合もあります。
グレード3で症状が進行してしまうと、精巣が萎縮して小さくなることもあります。
精巣萎縮と言いますが、腫れていたものが小さくなったから治る前兆と勘違いしないようにしましょう。
萎縮は非常に状態が悪いので早期で病院へ行ってください。
セルフチェックの方法は、【見た目で分かる!】精索静脈瘤かどうかセルフチェックをしてみようをご覧ください。
進行がまだ軽度の薬物療法については、精索静脈瘤に用いられる漢方薬やサプリ【治療・改善・予防方法】を、進行してしまい手術が必要なレベルの方は精索静脈瘤3つの手術と保険適用【再発率・費用・入院日数まとめ】をご覧ください。
精索静脈瘤に中学生や高校生でもなるのか?
精索静脈瘤に中学生や高校生がなるのか?この答はYesです。
自分の身体というのはたまにマジマジ見るかもしれませんが、基本的には変わらないので毎日重点的にチェックするわけではありません。
気が付いたら腫れていたり、コブ状のものやしこりが出ていることもあります。

成長期である中学、高校あたりだとその変化の1つと考えてしまう人もいるかもしれませんので注意しましょう。
では精索静脈瘤に成り得る年齢は?と聞かれたら「10歳前後から」という答えになります。
10歳未満でも非常に稀ではありますが起こりえます。
10歳~15歳あたりで徐々に増加していき、成人男性では15~20%で発見されるとも言われています。
痛みがある場合や、精巣の発育が良くない場合には手術適応と考えて良いでしょう。
少なくとも思春期や成人での手術では不妊症に対して効果があることが示されていますが、将来の不妊症を予防する目的で小児期に手術適応とすべきかに関しての証拠は十分揃ってはいない状態です。
10代で精索静脈瘤になった場合、ご両親に恥ずかしくて相談もできない可能性もありますが、将来のことを考え、恥ずかしさなど忘れて、病院へ連れて行ってもらってください。
精索静脈瘤の手術は必ず受けるべきか?
絶対ではありません。
最も多い手術理由は子供が欲しい場合ですが、不妊治療の段階まで放置している男性は非常に多くいます。
その他、痛みが耐えられないレベルだったり、不快感が非常に強い場合などは手術の選択をするケースがあります。
ですので、上記理由がなければそのまま放置していてもなんら問題はないわけです。

精索静脈瘤は進行すると絶対にこうなるというケースはなく、個々で違いますので、手術不要の人も当然いらっしゃいます。
まとめ
- 精索静脈瘤の進行具合によってグレードが3つに分かれており、グレードによって治療方針が違う
- グレード1は薬物療法、グレード2は薬物療法か手術、グレード3は手術が基本方針となる
- グレード3で進行していると、精巣が萎縮することもある
- 精索静脈瘤には10歳前後から成り得る
- 成人男性では15~20%ほどで確認される
もし、自分が中学・高校生の思春期に精索静脈瘤の症状が見られた場合、隠さず親に相談できたか?と言われると疑わしいです。
恥ずかしさが上回る男の子の方が多いのではないでしょうか。
男のお子様がいらっしゃるご家庭は、普段は反抗期で会話が少なくても、体の不調や異常についてはしっかりと相談できる関係を構築していくべきです。
もう1度言いますが、精索静脈瘤は自然治癒しません。進行する前に早目に病院へ行きましょう。