
男性不妊になる性病って何があるの?
性病かどうかはどこでどうやって調べるの?
これから子作りする予定だけど性病検査は受けた方がいい?
こんな疑問にお答えします。
男性不妊の原因を調べるとその原因の1つとして出てくる性病。性病はとても危険で身近なものです。
そして性病が原因で男性不妊となり、精子に多大なる悪影響が出てしまいます。
- 男性不妊になる2つの性病を理解することができる
- 早期発見が治療と妊娠には大切であることがわかる
- 異常があるなしに関わらず、検査を受けることが安心に繋がり、結果的に妊娠の確率が上がる
性病とは?
性病とは、「性行為で感染する病気(性感染症)」のことです。
総称してSTDといいます。最近ではSTIと呼ばれることもあります。
たった一度の性行為でも、相手が性病にかかっていれば感染する可能性があるのです。
感染源は体液の中に含まれていて、性行為をすることで人体の粘膜を介して感染します。
性行為以外の日常生活においては通常感染はしません。自然に発生するものでもありません。
性病の恐ろしいところはどこだと思いますか?
性病になっても自覚症状がない場合や症状が軽くて気がつかないことが怖いのです。
自覚症状がないといっても病気は進行していきます。
自分の知らないうちにパートナーにうつす可能性があり、感染が広がってしまうことが問題です。
自覚症状があっても医療機関を受診しにくいという理由により、早期の治療や正しい治療ができないこともあり、非常に問題視されています。
性病にかかる原因
性病は性病に感染している人との性交渉セックスによって感染します。
病原体を含んでいる精液や腟分泌液、血液などが口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染します。
上述したように、自然発生はしませんし、通常生活ではまず感染はしません。
つまり手すりやドアノブ、同じお風呂や飲料の回し飲み、同じ蚊に刺される、便座に座るなどといった行為で感染はしません。
性病の疑いがある場合に受ける病院
男性の場合、泌尿器科になります。
泌尿器科と聞くとお年寄りしか行っていないイメージですが、そんなことはありません。
泌尿器科ですとどこの市町村でも近くに1つはあるかと思います。
もし、近所に知られたくないのであれば少し離れた泌尿器科で受診をした方が良いでしょう。
もし性病だった場合、何度か通院しないといけませんので、通える範囲内がベストです。
男性不妊の原因になる2つの性病
性病は性交渉によってかかる病気です。
一部の性病は女性だけでなく男性においても不妊症の原因となる恐れがありますが、そのことを知らない男性は非常に多いです。
性病は長く放置すればするほど、感染回数が増えれば増えるほど、当然不妊症のリスクも高くなります。
早期発見・早期治療が非常に大切です。
そして男性不妊の原因となる性病は主に2つあります。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、男性不妊の原因になる性病の1つです。
日本国内において最も感染者数が多い性病として有名です。
男性がクラミジアに感染すると、まず尿道に炎症が起こります。
感染から炎症が起こるまでの期間はおおよそ1週間から長くて3週間になります。
症状としては排尿時に痛みを感じたり、尿がしみたり、あるいは痒いと感じます。
男性は女性が感染した場合と比べると症状が現れやすいとされていますが、近年、自覚症状がほぼなく、知らないうちに症状が進行していたというケースも多いので注意が必要です。
症状が現れてから約1週間以上経つと、尿道の菌が前立腺や睾丸へ進行し、精巣上体炎を引き起こすことがあります。
クラミジア感染症が精巣上体炎に進行すると陰嚢が痛む・腫れる・熱を持つ、足の付け根や下腹部が痛むといった症状が現れます。
しかし、これらの症状も比較的軽度であることが多いので気づきにくいという点がクラミジア感染症の特徴の1つです。
長く放置されてしまうことで炎症により精子の通り道である精管が塞がってしまうと閉塞性無精子症となり、男性不妊になります。
無精子症に関しては、無精子症の原因と治療【精子が1匹でもいれば妊娠できる】で詳しく説明しています。
クラミジア感染症自体は処方箋薬で簡単に治せる病気です。
淋菌感染症
淋病も男性不妊の原因になります。
淋病は淋菌という細菌に感染することで起こる性病です。
感染すると淋菌性尿道炎を引き起こし排尿時の痛みや黄緑色の膿が生じるようになります。
痛みは強く膿の量も多いので、クラミジア感染症に比べると早期に自覚しやすい性病です。
淋菌性尿道炎を放置すると淋菌が前立腺や睾丸へと進行して精巣上体炎を引き起こし、男性不妊症の原因である閉塞性無精子症につながります。
淋病の治療ではクラミジア感染症と同じように薬剤治療が行われますが抗生物質に耐性のがある淋菌が増えてきていて、多少治療が難しい性病になっています。
淋病に感染した場合、クラミジアを併発しているケースもあります。淋病に感染した人のうち、20%から30%がクラミジアを併発しているそうです。
性病が悪化した場合の治療方法
クラミジアや淋病から精巣上体炎を引き起こしてしまった場合、とにかく早く治療することが大切です。
早期であれば抗生物質で治療することができますが、悪化してしまうと男性不妊を招きますし、精細胞に影響を及ぼし精子の産生に問題が生じてしまいます。
ここまでの状態に進行してしまうと、初期のように抗生物質で簡単に対処できません。
妊娠希望の場合、精巣や精子の状態によっては高度不妊治療へと進むこと確立が高いです。
ちなみに抗生物質は市販ではありません。
性病になった時もっとも大切な行動
性病にかかっていることがわかった時、あるいは性病にかかっている可能性がある時、最も大切なことはパートナーにその事実をきちんと伝えること。そして2人で検査を受けることです。
伝えるとき、きっと怖いですよね。
どうなるのか考えただけでも恐ろしいです。
しかし、それはパートナーである女性のためであり、あなた自身のためでもあります。
性病は男性が感染した場合より女性が感染し放置してしまった場合の方がはるかに不妊リスクが高いのです。
男性にとってクラミジアや淋病などの性病は不妊を招く大きな原因であり、女性の不妊をも招くということをしっかり理解しておきましょう。
男性が早期性病検査をうけるべき理由
結婚したあるいは結婚する予定の場合、または子どもが欲しいと思った時のためにクラミジアや淋病などの性病は早期に治療することが非常に大切です。
感染させてからでは気づくのが遅くなり手遅れになることもあります。
そのためには早期検査が欠かせません。
性病での受診に抵抗がある方は多いと思いますが、放置していても決して自然に治るものではありません。
実は私も1度性病検査を受けたことがあります。本格的なものです。
尿検査と血液検査でしっかりHIVを含めた全項目の検査を受けました。
それはこれから子供を作ろうと思った時に、自分が安心するため、妻を安心させるため、不安を1つでも減らすために行ったことです。
性病検査で嫌なことはただ1つです。受付で何をしに来たのか理由を伝える時です。
ここだけ乗り越えれればもうなんてことありません。あとは医師の指示通り検査を受けて、数日後に結果を聞きに行くだけです。
どうしても恥ずかしい、面倒くさい、時間がない男性は今では自宅でできる性病検査もありますから安心してください。
性病検査キットに関しては、【自宅から郵送で超簡単】安心おすすめ性病検査キット4選で詳しく説明しています。
まとめ
- 性病は性交渉をしたことのある男女は誰でも感染している可能性がある
- クラミジアと淋病は特に男性不妊の原因に繋がる性病である
- 早期発見がとにかく大切で、悪化していなければ抗生物質で治療することが可能
- 男女ともに妊娠を目指す場合、早目に検査を行った方が安心感も得られ、スムーズに妊活へ取り組むことができる
- 自宅でも可能な性病検査キットもある
兎にも角にも、少しでも疑いがあったり、不安であれば、男性は性病検査を受けるべきです。
そして奥様は旦那様に性病検査を受けさせるべきです。断られたりしたらそれは疑われるようなことがあるのでしょう。
それも含めて、何事もなければそのまま安心して子作りを開始できます。
性病を軽く考えてはいけません。
その1つの過ちで、結婚と子供を棒に振ることだって起こりえるのですから。
参考文献