【赤・黄・茶色】精液の色がいつもと違う!?精子に影響はないのか?

不妊知識
スパーム
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精液が透明なんですがこれって大丈夫なの?

精液がちょっと赤くなっていますが、病気でしょうか?

精液が黄色い感じなのですが、放置しててもいいですかね。

こんな疑問にお答えします。

精液の色を気にすることってあんまりないのではないでしょうか。普通は色が変わる事なんてありませんからね。

しかし、場合によっては精子にも影響が出てしまい、結果的に男性不妊に繋がってしまうこともあるのです。

この記事でわかること
  • 精液の色が変化した場合、色別によって原因がわかる
  • 変化した色によって対処方法がわかり、早期治療に繋がる
  • 結果的に、男性不妊に陥ることが防げ、妊娠の確率が高まる

精液の色に関する悩みで良く耳にするのは「透明」「赤色」「黄色」の3パターンです。この3つのケースについてそれぞれまとめました。

精液が透明だった場合

精液は白色のイメージをもっている人は非常に多いのではないでしょうか。では透明であった場合、何か特別な異常が起こっているのでしょうか。

精子は肉眼では見えない

まず、精子は肉眼で見ることはできません。普通の顕微鏡で見ることは可能です。また精子には色素がないので無色です。ですから、精液の色や質だけで精子の有無や状態を判断することは不可能です

つまり白いから精子がいる、透明だから精子がいないというわけではないのです。

また無精子症という精子がゼロの人でも精液は出ます。つまり精子と精液はまったく別になります。精液というのは精子と精漿(せいしょう)から成り立ています。

精子がDNAを卵子まで運ぶ実行部隊だとしたら、精漿は精子を守るサポート部隊と考えてください。

ドロドロとサラサラ?精液の状態が変わる

精液は90%ほどが水分で構成されていて、残りの10%程度が固形成分からなります。ドロドロしていて濃い白濁色が固形成分が多い状態です。

精液は透明なゼリー状の液体と白い液体とがまざり合っているものですが、白く見えるのが精子なのではありません。

透明なゼリー状のものは精嚢腺から出る精嚢腺液で70%ほどを占め、白い液体が前立腺から出る前立腺液で30%ほどを占めます。

精嚢腺液はアルカリ性のドロドロとしたゼラチン様の液体で、精液を凝固化させてコーティングして守り、休息していた活動のためのエネルギーを供給します。

前立腺液は精液独特の臭いを持つ白い液体で、精嚢腺液のゼラチン成分を分解すことで、凝固した白い精液を精子が活動しやすいサラサラした透明な液状に変化させるのです。

つまり、それによって卵子を目指しやすくなり、妊娠しやすくなるというわけです。

射精された精液が時間を経過すると粘り気が無く透明になるのはそのためです。粘りがなくなり透明になるにはものの数分です。一度射精した精子を放置して眺めているとよくわかると思います。

透明な精液は正常ではないのか?

AVの見過ぎで精液は白いと思っている男性は少なくないのかもしれませんが、透明であったとしても基本的には問題はありません。

精液の中で乳白色の部分は前立腺というとこで作られている前立腺液になります。つまり、い精液を出す人は、前立腺液のバランスが多い男性というわけです。

一方、少し黄ばんでいたり、透明に近いのは、精巣から出てきた精子をたくさん含んでいて、更に精嚢で作られた精嚢液が混ざっている段階の精液になります。まだ白い前立腺液とは混ざっていない段階の液体になります。

ですので、黄ばんだ精液、透明に近い精液の男性は、前立腺液が少なめだという判断になり、精嚢液の黄ばんだ色が目立ってしまっているだけというわけです。

食生活や栄養のバランスによっても変化するものですので、全てが一概に上記に当てはまるわけではありません。

いずれにしても見た目や状態だけで判断できるものでは決してないため、不安であれば泌尿器科を受診することが重要です。

精子の有無を確認したい場合は、自宅で簡単に判断できる精液検査キットもあります。未成年でも手に入れられますので、まず精子を調査!【精液検査の方法と費用】今や自宅で出来るキットもでまとめています。

精液が赤色・赤褐色・茶色だった場合

精液が赤、赤褐色、茶色がかっていた場合、その色は血によるものと考えて結構です。そしてその症状を血精液症と呼びます。

通常が右下の乳白色だとすると血が混ざることで左側の赤味を帯びていくわけです。

血精液症とは?

精液に血液の混入があった場合、精液は赤くなります。この状態を血精液症(けつせいえきしょう)と呼びます。

精液は精巣から精巣上体・精管を経て移動してきた精子と精嚢および前立腺の分泌液が混じっていますが、精液の大部分は、精嚢と前立腺の分泌物が占めていますので、出血部位としては多くの場合、精嚢または前立腺となります。

出血の時期が古いと黒くなり、血液の塊が混じることもあります。逆に比較的新しい出血の場合は鮮血色になります。一般的に射精時に痛みを伴うことは少ないですが、痛みがあるときは炎症が疑われると言えるのです。

血精液症の原因

精嚢または前立腺の炎症や、うっ血などの局所の循環障害が比較的多いですが、他の原因として考えられるのは、精巣・精巣上体・精管・精嚢・前立腺の腫瘍、結石などが挙げられます。

また、血液凝固異常(血が止まりにくいこと)や血管が脆弱のため出血しやすい状態の場合、射精時のいきみで精嚢の微小血管から出血することがあります。

しかし、多くの場合では検査をしても異常が確認できないため、特発性血精液症と診断されます。

血精液症の診断と治療

泌尿器科診察では、精巣・精巣上体などの外陰部診察を行い、次に直腸診で前立腺・精嚢に異常があるか調べることになります。

超音波検査は更に精度の高い検査ですので、診察の後に行う場合が少なくありません。超音波検査で異常を認めたり、腫瘍の存在を否定する必要がある場合はCT・MRIなどを追加することもあるでしょう。

また、中高年以上の方は前立腺癌の有無を調べるためPSAという腫瘍マーカーの採血を行います。血精液症の方で癌が見つかる確率は高くありませんので、余り心配する必要はありません。

検尿や診察で炎症があると診断した場合は、抗生物質や抗炎症薬で治療します。

以上の検査で特に問題ない場合、無治療で経過観察することになります。多くの場合は、精嚢に貯留した古い血液が、その後何度か排出されるため、完全に血精液が消失するのに、1~2ヶ月要する場合も少なくありません。

血精液症のままセックスしても大丈夫か?

多くの場合、検査をしても原因が特定できない特発性血精液症と診断されますが、症状が続く場合、専門医を受診するべきです。

若い方の場合、血精液症のままセックスを行っても女性パートナーへ悪影響を及ぼすことはありません。

ただし、炎症が原因の場合は感染する場合もありますので、控えた方が良いです。

また血が混ざっているだけですので、色が赤味がかっていることで精子に異常がでるということもありませんので安心してください。

精液が黄色・黄土色・茶色だった場合

尿が黄色くなることはありますよね。ビタミン剤などを服用すると必ず変化しますが、精液が黄色になる場合はどういう原因が考えられるのでしょうか。

左上の色が通常の乳白色だとすると右側にいくにつれて黄味がかっていくわけです。

男性の体質的に元々黄色味を帯びている

精液は元々、真っ白というよりは乳白色から薄い黄色がかった白色が正常と言われています。上のカラー一覧で見るとFFFFBC辺りまで可能性が十分あります。

個人差が当然あり、初めから黄色っぽい人もいますし、射精をしばらく行っていない場合は精液が濃縮されてより黄色っぽくなることもあります。また、加齢の進行によっては、黄色っぽくなる人もいると言われています。

精液は3日でほとんどの場合満タンになると言われていますので、それ以上の時間が経過すると溜まっていく精液はどんどん古いものとなります。

精子を溜めることに関しては、知っている人だけ妊娠に近づく!【理想の禁欲期間は何日?】を読むとよく理解できると思われます。

膿精液症の疑いがある

精液に膿が混ざっている状態で白血球数が多いのが特徴です。精嚢や尿道などに細菌が侵入し、炎症が起こっています。性行為がなくても、自身が持っている大腸菌による感染もありえます。

射出精液1mL中に白血球が100万個以上ある場合、膿精液症と診断されます。精液の色は黄色味を帯びます。ほとんどが大腸菌などの細菌やクラミジアによる精嚢や前立腺の炎症が原因ですが、精路全体の感染を起こしていることもありますので要注意です。

この場合、精子の運動率が低下し、精子無力症を合併しているケースもみられます。さらに、白血球から分泌される炎症物質によって精子のDNAがダメージを受け、流産の原因になることもあるといわれていますので早期治療を行ってください。

基本的に雑菌性であれば、自然治癒しますが炎症が悪化した場合、最悪精嚢の機能が低下して無精子症等の不妊の原因に繋がる恐れもあります。

腐ったようなニオイがあるのも特徴の1つです。

クラミジア・淋病による前立腺炎

尿道から侵入した雑菌が雑菌性尿道炎を起こした後、前立腺まで到達して炎症を起こすと前立腺炎になります。

また性病も同じです。クラミジアや淋菌も感染後に自覚症状が出なく、ウイルスが前立腺まで到達してしまうケースがある為かなり注意が必要です。

男性の場合、淋菌は排尿時の激痛や止まらない黄色い膿など、比較的明確な症状が出やすいと言われていますが、クラミジアは男性の50%が無症状と言われており、初期感染に気付かずに放置した結果、前立腺炎まで進行してしまう恐れがあります。

性病は男性不妊になります。性病と男性不妊に関しては、決して侮るな!【男性不妊になる2つの性病】最悪無精子症になりますで詳しく説明しています。

急に精液が黄色っぽくなった時はあなたの少し前の行動を思い返してみましょう。風俗に行きましたか?違う女性とセックしませんでしたか?

性病は遺伝しませんが、母子感染のため、出産時に感染する(分娩の際、膣を通ることで感染する)可能性はありますので、童貞だから大丈夫という考えはしない方がいいでしょう。

性病の疑いがある場合、誰にも知られずに自宅で検査することも可能ですので、【自宅から郵送で超簡単】安心おすすめ性病検査キット4選をご覧ください。

まとめ

まとめ
  • 精子は肉眼でみることができないし、色素がないため無色透明
  • 体液のバランスや食生活、栄養バランスなどによって精液の色は透明にも白くにも変化する
  • 赤色っぽい精液の場合、血精液症の疑いがあり、2か月ほど無くならない場合もある
  • 射精を我慢し、を精液溜めすぎている場合、黄色くなることがある
  • 白血球が多く、膿精液症の場合黄色くなるが、炎症が起こっている可能性があり、悪化した場合は重症な男性不妊に陥る
  • クラミジア・淋病などの性病でも黄色くなることがあるが、自覚症状がほとんどないことが問題で気づいたころには重症化している

精液は精子と精漿から成り立ってしますが、精漿は血液と同じくらい身体全体の状態を表すバロメーターに成り得るとして、今現在も研究が進んでいるほどです。

もしかすると数年後、血液検査と同じように、精液検査で全てが判明する時代が来るのかもしれません。

 

参考文献

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