コーヒーを飲んではいけないの?【男女別に見る不妊や流産との関係】

不妊知識

 

スパーム
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コーヒー大好きなんだけど精子や妊娠に影響はあるのかな?

カフェインは妊娠に悪影響がないか心配です

不妊治療中ですがコーヒー飲み続けても大丈夫?

こんな疑問にお答えします。

以前、アルコールと精子について記事を書きましたが、今回はコーヒーです。つまりカフェインですね。

私はコーヒーが大好きで、休みの日は10杯近く飲みます。中学生の頃からブラックコーヒーはほぼ欠かさず飲んでいる気がします。飲まないと起きた気がしませんし、仕事や作業に集中できる気がするのです。

しかし、コーヒーによるカフェイン摂取は妊娠にあまり良くないことが判明してきています。

この記事でわかること
  • カフェインが妊娠に与える影響がわかる
  • 男性は過剰摂取することで妊娠に大きな影響があることがわかる
  • コーヒーの服用に注意することで、結果、出産の確率が高まる

妊娠中にコーヒーはダメなのか?

まずは女性側から見ていきましょう。

コーヒーを妊娠中に飲んではいけないというイメージがあるかもしれませんが、それは過剰摂取の場合に限ります。

そして妊娠初期のコーヒー摂取が非常に影響が大きいと言われています。

スウェーデンで6~12週の間に流産を経験した562人の女性と、出産まで至った953人の女性にアンケート調査を行って、カフェインの摂取量との関係を調査。カフェインの摂取量はコーヒー、紅茶、コーラ、ココア、チョコレートなどの摂取量から求め、76%がコーヒーで23%が紅茶、その他はわずか1%。

1日のカフェイン摂取量と自然流産の関係を調べ、結果、カフェイン摂取が1日100mg以下の方を基準として評価。カフェイン摂取量が増える程に流産のリスクが有意に高まった。500mg以上のカフェイン摂取では、流産率が2.2倍と有意に増加し、明らかにリスクが高まることが判明

出典:CAFFEINE INTAKE AND THE RISK OF FIRST-TRIMESTER SPONTANEOUS ABORTION

コーヒー1杯には約80㎎のカフェインが入ってると仮定すると500mgは相当量飲まないといけませんが、休日であれば私も500mgは摂取しますのであり得る量だと思われます。

1杯程度であれば問題ありませんが、好きだからといって妊娠初期にコーヒーを過剰に摂取するのはよくないことがわかります。

では妊娠前のコーヒー摂取は妊娠に影響するのでしょうか?

25~44歳の女性3187人を調査して妊活を始めてから自然妊娠するまでの期間をコーヒー摂取量と共に調査。この調査には紅茶やコーラなどカフェインを含む他の飲料も同様に調査。体外受精などのデータは含まない。

全くコーヒーを飲まない群で妊娠まで6.5カ月かかったのに対して1日5杯以上コーヒーを飲む群では8.2カ月と1.7カ月ほど延長。さらにコーヒーの種類やカップの大きさなどから推定したカフェイン含有量と妊娠までの期間を調べた。こちらではさらに顕著に妊娠までの期間との相関が認められており、1日501mg以上摂取する群では8.9カ月と摂取しない群に比べて2.4カ月延長しているという結果。

カフェイン摂取量が1日500mg以上の群では、妊娠していない人の割合が高く、一方300~500mgの群では、300mg以下の群とほとんど差がなかった。

出典:Caffeine Intake and Delayed Conception: A European Multicenter Study on Infertility and Subfecundity 

この論文はカフェインやコーヒーに関する論文としては長年使われてる論文になります。

カフェインを過剰に摂取することで妊娠までの期間が長くなってしまうというものです。つまり妊娠しにくいということです。

こちらの論文も500mgというのが一つの基準になっていますので、いずれにせよコーヒーを過剰摂取することは妊娠前でも後でも良くないということがわかります。

コーヒーは精子にどう影響するのか?

では精子とコーヒーの関係についてです。

結果から言うと、「適量であれば問題なく、過剰摂取の場合は悪影響を与える可能性が生じる」です。アルコールと同じですね。要は何事もほどほどにということです。では内容を見ていきます。

コーヒーを1日3~7杯飲む人は、3杯以下の人に比べて0.8倍、8杯以上飲む人は0.6倍という報告がある一方で、3杯以上飲む人は0.85倍であったという報告があります。

男性のコーヒーの飲みすぎは妊娠までの期間を延長させるという報告が多い傾向にあります。

出典:Coffee and caffeine intake and male infertility: a systematic review

精液所見に関しては有意差が認められないとされる報告がほとんどですが、数件のみ精子運動率が良くなったとされる報告が存在しています。

精子DNA損傷に関して、コーヒーとの関連がないとされる報告とコーヒーを毎日飲んでいた場合のDNA損傷があったとされる報告はあるものの、コーヒーを飲んでいた方が結果が良かったとされる報告はありません。

一部でコーヒーを飲むことで精子の状態が良くなると言われているものはこの一部のみを抜粋した内容かもしれません。

上記論文は約20000名の男性被験者を対象に28論文をまとめたレビューになります。

男性のカフェイン過剰摂取は流産の原因に

妊娠の7分の1は流産になることからも、流産を経験している人は実は多いです。

そんな中、カフェインの過剰摂取が流産になる要因の1つであることが初めて判明したのが今から3年前になります。

この報告の重要点は、母体側ではなくパートナーである男性側の過剰摂取であるという点です。

調査の参加者のうち334組が妊娠したが、うち28%が流産という結果に。その内訳をみると、35歳以上の女性が流産した割合はそれ以下の年齢の女性たちの約2倍。

また、妊娠前に1日2杯以上のコーヒーを飲んでいた女性が流産した割合は、そうでない人に比べて74%高いことが判明。さらにパートナーである男性についても、コーヒーを2杯以上飲んでいなかった男性に比べ、73%も高かった。

出典:Longitudinal Investigation of Fertility and the Environment、LIFE

妊婦がカフェインを過剰に摂取すると流産しやすくなることは今までも知られていました。

しかし、男性のカフェイン摂取も問題であることは今回の調査結果が初めてとなります。

この結果から、因果関係そのものは明らかではないものの、カフェインの過剰摂取は妊娠の継続性に悪影響を及ぼし、精子や卵子の細胞に含まれる特定の遺伝子の発現に悪影響を与えていることも考えられる

父親が肥満の場合には精子の質が低下したり、喫煙が生まれてくる子供の健康に悪い影響を与えることはよく知られています。

また、父親の年齢は子供の自閉症や精神疾患の発症の可能性と関係があるとされていますので、母親に限らず、父親になる方も生まれてくる子供の健康に大きく関わっているということ知るべきだと思います。

一方、この調査ではこの他、ビタミンの有効性が改めて示されました。

流産の可能性は、妊娠前に毎日ビタミンを摂取していた場合に55%低下し、妊娠後にも摂取を続けた場合には、79%低くなることが分かった。

コーヒーもビタミンも日々の生活習慣によるものです。日常生活がいかに身体と子供に影響があるかということを教えてくれる論文でもあります。

まとめ

まとめ
  • 女性の場合、妊娠前にコーヒーを摂取することで妊娠するのに必要な時間が多くなり、妊娠初期の場合は流産リスクが増加するが、過剰摂取の場合である
  • とはいえ、万が一を考えると女性はコーヒーを控えた方が良い
  • 男性の場合も、コーヒーの過剰摂取は妊娠までの期間を延ばしてしまう
  • 男性のコーヒー過剰摂取は妊娠後流産の要因となることが判明した

たかがコーヒーくらいでと思う人もいることでしょう。しかし、実際にそのカフェインの影響で流産する人もいるのです。

それが自分の身に降りかからないとは限りません。妊娠を目指した時点で、女性はもちろん、男性もコーヒーの摂取を控える、いや辞めるべきかもしれません。

私はやめられない生活習慣が2つありました。1つはタバコ、1つはコーヒーです。

禁煙は非常に辛かったのですが、男性不妊と判明してからほどなくして禁煙に成功しました。

そして、その時はコーヒーと精子の関係性を知らずに、コーヒーを辞めることなく今もこの記事を書いています。

これから二人目を作りたいと考えているのですが、コーヒーも辞めないといけないかもしれません・・・。まずは1日1杯を目指します。

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