【心から子供が欲しいご夫婦へ】精子と卵子の受精に必要な知識まとめ

不妊知識

 

スパーム
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精子と卵子には寿命ってあるの?

精子と卵子はいつ出会っても受精して妊娠するのかな?

妊娠にベストな性交タイミングを知りたい。

こんな疑問にお答えします。

妊娠は奇跡です。いくつもの条件が重なって初めて妊娠は成立し、出産へと至ります。1%の積み重ねが小さな奇跡を生むことに繋がります。

ただ男性は意外とこの妊娠までの過程を女性ほど知らないのが事実です。実際、私も子供が欲しいと思うまで高校生レベルの妊娠知識しかありませんでした。

この記事でわかること
  • 精子と卵子の寿命を知ることができる
  • 精子と卵子の受精可能期間を知ることができる
  • 妊娠を目指す場合のベストな性交渉タイミングを理解することで、妊娠の確率が高まる

精子と卵子の寿命

精子と卵子には寿命があります。体の中で常に生きていていつでも妊娠できるわけではありません。

精子には精子の、卵子には卵子の寿命がそれぞれあり、そしてその寿命には違いがあります。そのタイミングを見極めることが自然妊娠には非常に重要です。

精子はどうやって作られるのか?

男性は精通が起こると基本的には一生精子が作られ続けます。精子は精巣で作られ精巣は陰嚢の中にあります。

精子は作られてからすぐに出てくるのではなく、細い管で何日も射精への準備を行います。精子はそこで74日かけて作られています。

精子が作られ始めるのは思春期の頃で、最初に精巣の発達が促され、陰茎が大きくなり、筋肉量が増加、声変わりをして、ひげや陰毛、脇毛が生えてきます。

同時期に精子形成もスタートしていきます。精子形成において男性ホルモンは、重要な役割を担っています。

また、精子形成には複雑な過程が存在しますが、男性ホルモンの分泌には脳の働きが深く関係。つまり精子は脳でつくられるといっても過言ではありません。

これら精子の生涯については、知ってました?【精子の寿命】作られて射精するまでに必要な日数は?で詳しく説明しています。

精子の数はマスターベーションで減ることはない

精子は毎日一定量作られます。射精の回数を増やしても精子がなくなるということはありません。

セックスやオナニーの回数を増やすと精子がなくなるという話は間違いです。

少なくなるという印象があるのは精液の量が減って、蓄積された一定量を放出し尽くしたからであって、精子は毎日作られていますので少し休めばまた精子や精液は復活しています。

精子は88日かけて体外へ

74日間かけて精巣のなかで育まれた精子は、その後、精巣上体へと移動します。ここで受精のための能力を備えていきます。

全長約40cmにもおよぶ精管という細い管のなかを通って移動し、射精時には精嚢や前立腺の分泌液と混ざり、尿道を通って精液として体外に放出されます。

精子が精管を進んで、射精によって体外に放出されるまでに必要な日数は14日間と言われています。

精子は74日間かけてつくられるので、精子形成から射精までに合計してで88日間もの日数を要することになるのです。約3か月にもなります。

つまり今出てきたあなたの精子はおよそ88日前に作られ始めた精子である可能性が高いのです。

精子の寿命

 

精子の女性の体内での寿命は72時間、約3日といわれています。

しかし、この寿命はあくまで平均値であって、もっと寿命が短い精子もいれば長い精子もいます。長い精子では約1週間生きるものもいるといわれています。

あなたの精子がどれくらい寿命があるのかは精液検査では実はわかりません。

精子の基準値

精液検査基準値WHO 2010の基準値
精子量1.5mL 以上
総精子数3900万/全精液量 以上
精子濃度1500万/mL 以上
運動率40% 以上
前進運動率32% 以上
生存率58% 以上
正常形態率4% 以上

上記はWHOの2010年時点での基準値になります。

4000万精子がいれば自然妊娠には十分とされています。私の場合、50万しかいませんでしたので非常に絶望的数字でありました。

ただし、精子の所見は日々変化していきます。ちょっとした体調の変化で変わってしまいますので1度の結果だけを鵜呑みにすることは避けましょう。

精子を調べる精液検査

今では不妊の原因は男性50%と言われています。もう女性だけの不妊ではありません。

精子の数、運動率、形態、感染など、精子を調べる検査を精液検査といい、日本産婦人科学会によると、この検査をして1度は基準値以下の項目でも1・2度の再検査を行い、1度でも全項目に合格すれば、不妊における男性因子なしと判断されるそうです。

日本生殖医学界では、精液検査の方法は、2~5日間の禁欲期間のあとにマスターベーションで精液の全量を採取し検査するというものです。

基本的には病院で精液を採取しますが自宅で出来る精液検査キットもあります。

精液検査に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

卵子の寿命

では卵子の寿命はどうなのか?男性は卵子についてもしっかりした知識を持っていたほうが絶対にいいです。

卵子の寿命は、排卵後24時間といわれています。精子に比べるととても短いいですね。

そのため不妊治療の最初の段階では、女性の排卵時期に合わせて性交渉をもつタイミング法が取られることが多いです。

男性は勘違いしないでください。生理と排卵は別です。これすら知らない男性も実は多いのが現状です。

受精可能期間

精子と卵子には受精可能期間というものが存在しています。これは医学の発達で徐々に解明されてきています。そして精子と卵子の受精可能期間は違うのです。

ネット上では妊娠のタイミングの表記がサイトによって多少違うのはこの受精可能期間に違いがあるためです。ではそれぞれの受精可能期間を見ていきましょう。

 

精子の受精可能期間

精子は、射精後すぐに受精できるわけではありません。射精してすぐに卵子に向かって動いていくイメージを持っているのではないでしょうか?

膣内に射精された精子はものの15分ほどで卵管入口に到達すると判明していますが、その状態の精子は受精可能な状態ではありません。

精子の寿命は約3日ですが射精の5~6時間後から受精可能運動ができるようになります。

例えば、3日の寿命の精子なら、射精後6時間後から受精可能運動ができるとして、寿命までの66時間ほどのあいだが受精可能となります。そしてこの寿命は人によって違い、精液検査ではわからないのです。

卵子の受精可能期間

卵子は、もともとの寿命が排卵後24時間といわれており、精子よりも受精可能な期間が短いことがわかっています。

さらに、そのすべての時間が受精可能なのではなく、受精可能時間は6時間~8時間程度といわれています。

この精子と卵子の受精可能期間を合わせるということだけを考えても大変だということがイメージできたでしょうか?

精子と卵子の受精可能期間については、誰も教えてくれない新事実!【精子と卵子の受精可能期間】で詳しく説明しています。

妊娠しやすいタイミングとは

では妊娠するためにベストな性交渉のタイミングとはいつなのでしょうか?

ベストな妊活タイミング

精子や卵子の寿命と受精可能時間を考えると、排卵時間ぴったりに性交渉を持つよりは、排卵より前に性交渉を持つことが一番可能性があります。

しかし、実際に排卵する時間は、正確にはわかりません。

そのため排卵日の3日前~1日後が妊娠しやすいタイミングといえます。

最近では2日前に性交渉をして、排卵した時点で精子が卵子を目の前で待っている状態がベストであると言われています。

排卵後の妊娠

妊娠しやすいのは排卵日というイメージになりがちですが、卵子と精子の寿命を考慮すると、特に排卵日前が妊娠する確率が高いでしょう。

では排卵後は妊娠できないのでしょうか?

そんなことはありません。排卵から数日経つと妊娠確率が下がるといわれていますが、ホルモンバランスの乱れなどで自分の予測よりも排卵が遅れたために妊娠することも考えられます。

排卵を時分秒で判断することはできませんから。

受精の確率

1回の自然妊娠の確率をご存知でしょうか?

20代の健康な男女が排卵に合わせて性交渉をした場合でも20%の確率と言われています。当然体調や年齢でこの数字は変わってきてしまいます。

妊娠は確率論ですとはよく言われます。

不妊治療で医師はこの確率を1%でも多く積み重ねていって、患者に最善の提案をしてくれています。

あなた自身ももし不妊で悩んでいるのであれば自分でもできることを行い、妊娠の確率を1%でも伸ばす生活を心がけましょう。

妊娠や流産の確率などを全てまとめていますのでこちらをご覧ください。

排卵日を予測する方法

排卵日には個人差があり、予測は難しいと思ってください。

通常であれば、月経周期が28日周期の場合、生理が始まった日から約2週間後に排卵が起こると考えます。

月経の始まった日を1日目として数え、14日目が排卵日になりますが、そもそも月経周期が不規則な人は予測しにくいです。

排卵日を予測するには、基礎体温表、排卵日検査薬で調べる方法のほか、婦人科・不妊治療専門の医療機関などで行う卵胞チェック(エコー検査)などの方法があります。

私の妻の場合、28日ぴったりの周期できていました。ただし、上述したように卵子の受精可能期間は6~8時間です。排卵の日はなんとなく予想できても、時間までは基本的にはわかりません。

そこが非常に難しいところなのです。それ故、排卵日に合わせた1回の性交渉だけでなくセックスの回数も非常に重要になります。

アプリ不妊とは?

アプリ不妊という言葉をご存知でしょうか?

近年スマホがこれだけ普及し、自分のデータを打ち込むだけで排卵日を予測して出してくれるアプリがたくさんあります。しかしここには落とし穴があります。

アプリの排卵日データは数多くの登録者のデータを平均化して作られているデータであることがほとんどです。

それ故、実際の排卵日と多少ずれていることが生じています。

私の妻も実際、アプリで排卵予想をしていたのですが、病院で直接みてもらって判断されていた日とずれていたことが多々ありました。

アプリは非常に簡単に判断できて有効に活用できていると思いがちですが、実際のあなたの、あなたの奥様の排卵日と違う可能性もあります。

もし違っていた場合、貴重な1か月に1度しかない妊娠チャンスを逃してしまっています。ずっとアプリだけを信じていては妊娠できる機会も減ってしまっている可能性があることに注意してください。

これらについて詳しくは、もっと早く教えて欲しかった!【妊娠しやすいベストタイミングとは】で説明しています。

まとめ

まとめ
  • 射精回数を増やしても精子がなくなるということはない
  • 精子が作られて射精に至るまで88日もかかる
  • 精子の寿命は約72時間で、卵子の寿命は約24時間しかない
  • 精子は射精されてから5~6時間で受精可能運動ができるよういなり、寿命までの間が受精可能期間となる
  • 卵子は寿命である24時間のうち、6~8時間が受精可能期間と言われている
  • 妊娠にベストなタイミングは排卵の2日前に性交渉をし、排卵時、精子が卵子の前で待っている状態がベスト
  • 妊娠は確率論と言われており、健康な20代男女がタイミングを合わせて性交渉を行った場合の妊娠確率は20%
  • 排卵日の予測はできるが、時間や分まではわからない

参考文献

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