精子の運動率が低い精子無力症の原因と治療【本気になれば治せます】

不妊知識

 

スパーム
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精子無力症ってなに?

精子の運動率が悪いって診断されたけど治せますか?

精子を元気にする方法が知りたい。

精子の運動率が低くても妊娠は可能でしょうか?

こんな疑問にお答えします。

精液検査を行って、精子力が衰えていた場合、精子の数や状態によって4つに大別されます。

乏精子症、精子無力症、精子奇形症、無精子症。この中で最も多いのが乏精子症。次いで多いので無精子症と精子無力症です。

乏精子症と精子無力症を患い、改善させ妊娠まで至った私が精子無力症についてお伝えします。

この記事でわかること
  • 精子無力症を理解でき、妊娠しない理由もわかる
  • 精子無力症の原因や改善方法がわかり、自分で不妊治療をスタートするきっかけになる
  • 結果、妊娠の確率が上がる

精子無力症とは

実際、私も乏精子症と精子無力症を併発していました。

この2つは併発することが多いそうです。併発した場合を乏精子無力症と呼びます。

精子無力症とは?

精子無力症とは精子の運動率がとても低い状態のことを総称して言います。

精子の運動率が低いということは、精子が前に進む力が弱いということになります。

精液検査の結果から運動率が40%以下の場合、精子無力症と診断されます。

また、前進する精子が32%以下の場合を精子無力症と言う場合もあります。

正常な男性の精子は運動率55~60%以上というのが一般的な見解です。

精子運動率を精子稼働率とも言います。

精子の基準値 WHO

検査項目下限基準値
精液量1.5ml以上
精子濃度1500万/ml以上
総精子数3900万/射精以上
前進運動率32%以上
総運動率40%以上
正常精子形態率(厳密な検査法で)4%以上
白血球数100万/ml未満

上記がWHOが定めている精子の基準値になります。

男性不妊の疑いがある場合、精液検査を行い、上記数値と照らし合わせて原因を突き止め、改善を行っていくことになります。

精液検査に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

精子無力症の原因

では精子無力症の原因にはどういうものがあるのでしょうか。

精子無力症の主な原因

精子無力症は原因がわからないことが非常に多いです。

精子や精液の状態は、ストレスや食生活など様々な要因によって日々変化しています。

現代の様々な病気に関わるストレスや食生活は精子にも影響を及ぼしているのです。

しかし、はっきりとした原因は結局のところ判明されてはいません。

最も有力なものとして食生活や生活習慣が原因であると言われています。

この原因不明の中にはミトコンドリアの活性化不足や加齢によるものも含まれています。

原因不明は今の医学では見つけられない、あるいは検査で発見できないものも含まれています。

後天的な原因としては精索静脈瘤などがあります。要因が多種に及ぶため自分自身ではなかなか原因を追究できないので専門医に診てもらう方がいいです。

精索静脈瘤に関してはこちらで詳しく説明しています。

精子無力症の原因となる糖転移酵素様遺伝子を発見

そんな中、精子形成に重要な遺伝子が発見され、この遺伝子が精子無力症の原因ではないかと言われています。

この遺伝子を糖転移酵素様遺伝子と呼びます。

噛み砕いて説明すると、精子無力症の患者を調べるとこの遺伝子上に変異が生じていました。これは男性不妊症の原因を的確に判別する手法の開発に貢献するものであり、近い将来に不妊治療法を適切に選択する上で必要不可欠な技術となることが期待されています。

この遺伝子を用いた治療や改善はまだ先の話になりそうですが、いずれは男性不妊者にとって救いの手立てになってくれることを願います。

精子無力症の症状

百聞は一見にしかず。

精子の運動率が基準以下の30%ほどの場合です。

こちらが運動率60%以上の場合の精子です。

明らかに動いている精子の数が違い、そのスピードにも違いがあるのがはっきりわかるかと思います。

精子は肉眼で見ることはできません。顕微鏡で見ることができる極々小さなものです。

また、精液をみたところで正常精子と精子無力症を見分けることもできません。

精液の色や粘り気で判断できると思われるかもしれませんが、顕微鏡で実際に観察してみないと判断はできません。

精子無力症でも自然妊娠できるか?

結論から言いますと可能です。

ただし、そのままではなかなか難しいのが事実です。

私はたった50万しかいない乏精子症と運動率30%台の精子無力症を併発していました。

それでも精子の数を40倍の2000万にまで増やし、運動率も倍の60%台まで向上させることができました。そして妻が妊娠し、出産まで至りました。

私の場合、結果人工授精でしたが、私より数値上で上であれば自然妊娠も可能になります。

精子力は医師の助言と男性の努力次第で向上させることが可能です。

私が男性不妊を改善した方法はこちらの記事で詳しく説明しています。

無力症でも妊娠するためにはどうしたらいいか?

 

WHOのデータ上では自然妊娠した最低精子数は1500万ですが、一般的に自然妊娠に必要とされる精子数は4000万です。

精子数と精子運動率を上げることが妊娠への手がかりとなります。

もし精子無力症と診断されても妊娠を諦める必要はまったくありません。

私と同じく、精子力を改善したり、精索静脈瘤の手術をすることで精子数や運動率が改善し妊娠に至ったケースはたくさんあります。

ミトコンドリアを活性化させる

まず第1に考えられるのがミトコンドリアを活性化させる方法です。

上図が正常な精子です。スプーンのような形状をしています。その中心を見てください。ここにミトコンドリアがいます。

図からもわかるように、ミトコンドリアが精子の運動に大きく影響していることがわかるかと思います。

受精すると核の部分から下は切り離されて、ミトコンドリアは意味をなくしてしまいますが、重要なのは卵子まで到達する間の精子の運動力です。

ミトコンドリアを活性化させることが精子運動率を改善させることになり、精子無力症を改善させることに繋がります。

ミトコンドリアに関してはこちらの記事で詳しく説明しています。

このミトコンドリアがしっかり稼働していない場合は、男性不妊の原因不明という状態にあたります。高度医療検査ではミトコンドリアを調べることができますが、なかなかこの検査ができる医療機関はありません。

サプリメントの継続と生活スタイルの見直し

ミトコンドリアの活性化以外にどんな方法があるのでしょうか?

まず男性不妊に意外と多いのが上述した精索静脈瘤です。

これに関しては手術が必要になります。手術で100%改善されるわけではありませんが、精索静脈瘤は自然治癒はしません。

またビタミン剤やサプリメントでも改善する可能性は十分あります。

実際、病院で診断された場合、年齢に猶予があれば、薬物療法からスタートする場合が多いです。

精子運動率を上げると期待されているものには、亜鉛・抗酸化・ビタミンD・葉酸などがあります。

逆に精子運動率を下げると言われているものに喫煙・ストレス・栄養不足があります。

精子の運動率を上げる方法をまとめていますので、精子の運動率を上げる11の方法【自然妊娠・人工授精には超重要】をご覧ください。

私のように、必ずあなたに合った方法があるはずです。

残念ながらサプリ等で改善できる確率は100%ではありません。30%~60%程度とも言われています。

しかし、何も行動しなければ精子運動率はそのままです。何かしないことには妊娠の可能性は低いままなのです。

想像してみてください。ここで行動しなかったことで将来、あなたにだけ子供がいない未来を。

精子無力症と人工授精

精子無力症がなかなか改善されなかった場合やご夫婦の年齢が40歳あたりの場合、タイミング法では確率が高くありませんので、人工授精になる場合があります。

当然ご夫婦の希望が尊重されますが、早いに越したことはありません。

私の場合は膣内射精障害もありましたので、精子数と精子稼働率が改善されたタイミングで人工授精を行いました。

人工授精と聞いて敬遠する方もいるかと思います。卵子に直接精子を挿入する体外受精と勘違いされている人もいると思いますが、人工授精は自然妊娠に近い生殖医療です。

しかしこればかりはご夫婦の価値観等の問題もありますので人工授精を推奨するわけではありませんが、妊娠には年齢というリミットがあることを覚えておいてください。

まとめ

 

まとめ
  • 精子の運動率が40%以下、または前進運動精子が32%以下を精子無力症と呼びます
  • 運動率が55~60%以上が正常な精子の運動率である
  • 精子無力症の原因にはストレス、栄養不足、加齢、ミトコンドリア不活性、精索静脈瘤などがあげられる
  • 精子の運動率を改善できれば自然妊娠も可能

精子無力症は改善できます。

なぜなら私は30%台の精子無力症を努力で2倍の60%台まで向上させることができたからです。

同時にたった50万しかいなかった少ない精子が40倍の2000万にまで向上できました。

精子無力症と診断されて、そこで妊娠を諦めないでください。まだまだ希望はあります。

そのためには旦那様がしっかり自分の精子と向き合い絶対に改善してやるという強い気持ちを持つことが必要です。そしてそれを支える奥様の努力も必要です。

男女共に時間はあるようでありません。1年はあっという間に過ぎ去っていきます。

妊娠できる大切な今という期間をどうか大切にし、何からしらの行動を起こしてみてください。

その手助けに、このサイトが役に立てば嬉しいです。

 

参考文献

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