
- 人工授精の妊娠成功率を上げたい
- 人工授精を早く卒業するためにできることはありますか?
- 人工授精でまだ妊娠しません。どうしたらいいですか?
- 人工授精までの期間で何か夫婦でできることはありますか?
- 人工授精に向けて何もしないのも虚しいので努力できることがあれば教えてほしいです。
こんな疑問にお答えします。
人工授精を行うご夫婦の割合は年々高まっており、同時に体外受精の割合も高まっています。
人工授精は自然妊娠に近い生殖医療です。
妊娠するまでの過程で違いがあるとすれば夫婦間の性交渉があるかないかの違いだけです。
「できれば自然妊娠したい」という気持ちは非常に理解できます。
しかし、そこに固執したあまり、妊娠できるという期間が過ぎて行ってしまうケースが日本の場合数多くあるのです。
子供がいない将来を想像してみてください。

その不安に比べれば、自然妊娠でないと気が進まないという気持ちなんて、なんと小さな悩みなのでしょうか。
人工授精で出産まで至った経験から、人工授精の成功率を上げる方法をご紹介します。
- 人工授精の成功率を上げる方法がわかる
- あなたに合った方法を選択し、努力することで可能性が高まる
- 継続することで、結果的に妊娠の可能性が高まる
何事も実際に経験してみないとわからないことはたくさんあります。
人工授精もその1つで、経験したことで「こういうことだったのか」「こういうことに注意しないとダメなのか」という部分がわかってきます。
できればあなたが初めての人工授精を受ける前に読んで欲しい記事ですが、何度か経験していてもまだ遅くはありません。
人工授精で妊娠するために、あなた方ご夫婦ができることはあります。
人工授精は6回目までが勝負!
人工授精は6回までに成功させないといけません。
なぜなら人工授精で妊娠まで至ったご夫婦の90%は5回目までの人工授精で妊娠しているからです。
そして2回目までに50%が妊娠しています。
≫≫人工授精の確率は何%?【妊娠率の統計から辞め時は〇回である】
1回多いのは5回目でダメだった場合のラストチャンスとして1回受けてみるのはいいと思うからです。
6回と仮定して、人工授精のタイミングは奥様の排卵に合わせて行われるわけですので、1月に1回行うことが可能です。
つまり単純計算すると6か月間というリミットがあるということです。
この半年で妊娠できなかった場合、ステップアップをして体外受精か顕微授精で妊娠を目指すという提案がなされる可能性が高くなります。
あなたと奥様ができることは、この6か月、6回という間に、精子と卵子の状態を最大限に高め、妊娠の可能性を上げることにあります。
ですからこの6回の間は人工授精の成功だけを考えて努力をするべきです。
人工授精の費用は1回1~3万です。
病院やクリニックで費用に差があります。
例えば、間を取って2万円だとしましょう。

2万×6回=12万かかります。
しかし、6回の人工授精で妊娠しなかった場合、次に受けるであろう体外受精は1回が20万~50万です。もし顕微授精であれば1回が40万~70万です。
お金があるご夫婦はそれでもいいでしょう。
しかし、普通はそんな簡単な金額ではないはずです。
この人工授精6回にどれだけ本気で取り組まなければいけないのか、どれだけ今後の生活に影響があるのかがわかるかと思います。
人工授精になるケース
人工授精は何かしらの不妊原因がある場合に、提案されることが多く、その原因の多くは女性より男性である場合が非常に多いのです。
- フーナーテスト不良
- タイミング療法で妊娠しなかった場合
- ED、性交渉が難しい
- 精子の状態が悪い
- 子宮頸管を通過しにくい
- 子宮頸管粘液分泌不全
主なケースをまとめましたが、最後の2つ以外は全て男性精子の原因が考えられるケースとなります。
精子は精液検査によって基本4つに大別されます。
- 乏精子症
- 精子無力症
- 精子奇形症
- 無精子症
人工授精の場合、無精子症以外であれば妊娠することは可能です。
なかなか自然妊娠しない、あるいは人工授精しても着床しない場合、精子の状態がいずれかに該当している可能性があります。
乏精子症とは、精子の数が少ないという症状です。
精子無力症とは精子の運動率が低いという状態です。
精子奇形症とは精子の形が悪い状態で、形が悪い精子は運動率も悪い傾向あり、着床する能力が低いと言われています。
無精子症はその名の通り、精子が見当たらない状態を言います。
例えば私の場合、高度乏精子症であり、精子無力症でした。
さらに膣内射精障害であったため、性交渉が困難という状態でした。
ですから、精子の数を増やして、精子の運動率を高める事で、人工授精の確率が高まるということになるのです。

膣内射精障害を治したとしても精子の状態が悪いのであれば自然だろうが人工だろうが妊娠する確率は非常に厳しいので意味がないというわけです。
人工授精の妊娠確率を上げる5つの方法
何はともあれ、絶対に人工授精6回以内で妊娠させてやるという強い気持ちが必要です。
そんなにお金がないから、年齢が年齢だから、妻をもう悲しませたくないから、ダラダラ長く続けるのが面倒だから、どうしても子供が欲しいから。

理由はなんでもいいんです。
6回までに努力を継続できて、確率を高めることができればそれが妊娠につながり、全てが報われます。
人工授精の成功率を上げるということは精子の状態を良くし、精子の質を高めるということです。
精子の状態を良くするということは、精子の数を増やし、精子の運動率を高め、精子の奇形率を下げ、精子の質を高めるということです。
人工授精の成功確率を上げるには以下の5つが重要となります。
- 精子の数を増やす
- 精子の運動率を高める
- 精子の奇形率を下げる
- 精子の質を上げる
- タイミング
そして注意点ですが、精子は精巣で作られてから射精に至るまで88日もの月日を必要とします。
精子・卵子の寿命やタイミングについてまとめていますのでご覧ください。
≫≫【心から子供が欲しいご夫婦へ】精子と卵子の受精に必要な知識まとめ
ですから、「よし!今から頑張る!」とスタートしたからといって1週間後に変化が起こるということはありません。

最低でも約3カ月努力を継続することが必要となります。
人工授精の経験がまだないご夫婦の場合、まず1度経験してみて、流れやその結果や精子の状態等を確認してみましょう。
そこで精子の何が悪いのか、何を改善できれば確率が上がるのかを知り、あなたに合った方法を選択してください。
方法を選択したらそれを最低3カ月継続し、それから2回目の人工授精を受けましょう。
当然妊娠するか6回目が終わるまで継続し続ける必要があります。
これは思いの他辛いです。
精子の数を増やす
自然妊娠と人工授精で最も大切なものは精子の数と運動率です。
精子の奇形率や質ももちろん大切なのですが、一定数が子宮内に侵入して卵子までたどり着くことが必要不可欠です。
それ故、精子の数は多い方が良いわけです。
少し前にビッグダディという子だくさんの男性が話題になったと思いますが、彼の精子数は5億7000万だったそうです。

海賊の懸賞金みたいになっていますが、普通多くても1億~3億ですので、いかに精子数が多く、またその数が妊娠に影響していたということがわかるのではないでしょうか。
もし、精子数が少ないのであれば精子を増やす方法を取り入れて継続してください。
≫≫精子の数を増やす9つの方法【あなたの努力で改善は可能です】
精子の運動率を上げる
自然妊娠と人工授精で最も大切なものは精子の数と運動率です。
精子の奇形率や質ももちろん大切なのですが、一定数が子宮内に侵入して卵子までたどり着くことが必要不可欠です。
それ故、精子の運動率は高い方が良いわけです。

個人的には数よりも運動率の方が重要だと思っています。
元気な精子がたくさん卵子まで到達するほうがいいからです。
≫≫精子の運動率を上げる11の方法【自然妊娠・人工授精には超重要】
実はこの精子運動率で悩み、苦戦している男性からの相談が非常に多いのですが、実際に私も運動率を上げるのには時間がかかりました。
精子数は比較的早目に改善傾向が出たのですが、運動率改善にはそれ以上の忍耐と努力が必要かもしれません。
物理的に運動率を高める方法として、妊娠用ゼリーがありますので検討するのもいいでしょう。
≫≫【精子の運動を助ける妊活アイテム】おすすめ妊娠用潤滑ゼリー3選
精子の奇形率を下げる
精子奇形率と奇形児は関係しませんので安心してください。
奇形精子は運動率が低下し、受精の先体反応を起こしにくいということが問題です。
自然妊娠や人工授精でももちろん重要ですが、体外受精・顕微授精でとりわけ重要であると言われています。

ちなみに正常形態精子が100%の男性はこの世に居ません。
≫≫精子の奇形率を下げる9つの方法【奇形精子は運動率も悪い傾向に!】
精液検査にも色々な方法があるので、その結果表示にも多少違いがあります。
精子の質を上げる
精子数・運動率・奇形率もまとめて精子の質という言い方をする場合もあります。
「精子の質が良い」=「妊娠しやすい精子」と置き換えることができます。
さらに妊娠しやすい精子ということは、受精を促す先体反応が起こりやすく、流産リスクが少ないということも意味しています。
精子の質や卵子の質を考え始めるべきは30代後半のご夫婦からになります。
35歳を過ぎると女性は当然、男性であっても老化が起こり始めるからです。
つまり30代後半で、人工授精を行おうとした場合、精子の質を高めることを優先に行うべきと考えます。
精子の質は不妊治療どの方法でも非常に重要ですが、とりわけ体外受精・顕微授精では非常に重要であると言われています。
≫≫精子の質を上げる6つの方法【精子DNAダメージは確実に存在する】
流産を連続で経験した場合など、精子の質が原因であるという研究が近年なされました。

今までは母体や染色体異常だけに目を向けられていましたが、精子の質も妊娠には非常に大きな意味を持つことになったというわけです。
タイミングに合わせる
最後はタイミングです。
このタイミングは人工授精を行うタイミングのことですが、医師から日程等を指定されます。
その指定日は排卵日を予測し、そこから医師がベストと判断した日時を指定します。
最も妊娠しやすいと言われているのは排卵の2日ほど前と言われていますので1日~2日前までに行う場合が多いと思います。
もちろん当日もありえます。
そして問題は、このタイミングにあなた方ご夫婦が合わせられるかどうかということです。
自然妊娠のタイミング法であれば問題ないかもしれませんが、人工授精の場合のその日、その時間に病院へ行き、旦那様は精子を射精して用意し(自宅で採取も可)、奥様は受け入れられる体調の準備が必要です。
仕事もありますし、病院側の予定で休診の場合も考えられます。
共働きだと一層難しいかもしれません。

この病院へ行ったり、射精して指定時間以内に持参するという行為は仕事をしていると本当に大変だと思います。
私はドラッグストアの店長でシフト制ですし、どちらかというと平日休みですから妻が1時間でも早退して病院へ行けそうな平日休みにしたり、休みをある程度自由にいじることが可能でしたので土日休みの仕事の男性よりもかなり融通が利いた職場環境だったと思います。
実際に、人工授精の日だけは全て院内採精です。
しかし、行き当たりばったりの予定変更だけでは上手く進みません。
当月だけでなく、次回の人工授精の事もしっかり考えて、夫婦で排卵の日を予測し、しっかり計画と予定を立てて、可能な限りスムーズに人工授精ができるように工夫しました。

こんなこと一人ではできないと思いませんか?
不妊治療は治療段階関係なく、ご夫婦二人で必ず協力する必要があります。
いずれにせよ、タイミングに合わせることは非常に重要です。
まとめ
- 人工授精は6回目までが勝負で、その間に精子と卵子の質を高め、妊娠の確率を上げる必要がある
- 人工授精になる場合、男性側に不妊原因があることが多い
- 人工授精の確率を上げる5つの方法からあなたに合った方法を選択し、継続することで改善する可能性がある
- 精子と卵子の準備をしっかり行い、最後のタイミングを間違わなければ最も妊娠の確率は高まる
精子と卵子の準備、タイミングどちらも重要です。どちらが欠けていても妊娠率は低下します。
私は精子数たったの50万、運動率30%台、膣内射精障害でした。
そこから自分の力で改善し、妊娠・出産することができました。
≫≫【私はこれで妊娠しました!】男性不妊でも妊娠できた5つの方法
継続することは結構大変で、辛く、苦しい、もどかしい日々かと思いますが、諦めず将来の子供を夢見て努力してみてください。
あなたの精子力を改善できるかどうかはあなた次第です。
「できれば自然に任せたい」
この言葉を使うのは女性より男性の場合が多いです。

そりゃそうです、誰でもそう思います。
- 人工より自然が良い
- 人工だと俺に欠陥があるみたいじゃないか
- 不妊治療中だと周囲にばれたらどうするんだ
- 自然だとお金もかからない
- 今二人でも幸せだしそんなに急がなくても・・・
でもね、想像してみてください。
あなたの一時のその考えで将来あなた方二人の間にだけお子さんがいない未来を。
いつの間にか奥様が妊娠できる年齢を過ぎてしまっていたらどうしますか?
陰で奥様は子供が欲しかったと泣いていませんか?
自然じゃないと嫌だという考えは、なんて小さなことだと思いませんか?
不妊治療に今はいい、後でいいはありえません。
妊娠できる今という時間を夫婦で大切にしてください。