【泌尿器科へ通院している男性は注意!】ホルモン投与は絶対ダメ!

不妊治療

 

スパーム
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男性ホルモンを投与したら男性不妊は治るのかな?

性欲がなくなってきたけどホルモン投与ってどうなの?

更年期だからホルモン投与したいけど、別に問題ないよね?

こんな疑問にお答えします。

一般的に、男性ホルモンが多い方が髭が濃くなったり、精力が増して精子も増えるようなイメージがあると思います。

しかし、男性ホルモンを投与することはメリットもあり、デメリットもあります。

そしてそのデメリットは男性精子に危険な影響を与えてしまいます。

この記事でわかること
  • 男性ホルモン投与は男性不妊患者にはしてはいけないことがわかる
  • 泌尿器科に通院している場合は注意が必要であることがわかる
  • 遠回りすることなく妊娠を目指せる

男性更年期障害について

まずホルモン投与についてお話する前に、男性更年期障害について説明が必要です。

更年期障害という言葉はなんとなくご存知かと思います。

世間一般的には女性特有のものという認識が強いみたいですが、男性にも更年期障害というものはあります。

全身の疲労感や意欲の減退、ED勃起障害などの年齢のせいと一言で片づけられてきた中高年男性特有の悩みですが、ここ最近ではこれを、「加齢男性性腺機能低下症候群LOH」と呼び注目されています。

男性更年期の原因

男性更年期の原因となっているのが、男性ホルモンの低下です。男性ホルモンのことをテストステロンと呼びます。

男性ホルモンは20代にピークを迎え、徐々に低下していき、加齢とともに減少していきます。

成人以降も筋肉や骨の形成、造血機能や性機能、脂質代謝など、全身の生理的な活性を促す働きを担っています。

また攻撃性といったアクティビティを高める作用があることも知られています。

イギリスの証券会社の男性社員を調べた研究で、利益をたくさんあげる人ほど男性ホルモン量が高かったという報告もあるほどです。

社会的な規範に縛られやすい人やハメを外せない人は男性ホルモンが低いとされています。

男性更年期の症状

LOH症候群の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

身体的には全身の疲労感や倦怠感、性欲低下、ED勃起障害、不眠、肩こりなどが起こります。

精神的には気力の衰え、集中力の低下、イライラ、抑うつなど症状は多岐に渡ります。

どれも通常生活で普通に起こりえる内容ですので判断が非常に難しいですね。

テストステロンの増やし方

では男性ホルモンであるテストステロンを増やすにはどうしたらいいのでしょうか?

人間の行動とテストステロンは密接に結びついています。

肉体的なアプローチとしては、運動、十分な睡眠、減量、食生活の改善、糖質制限などがあり、精神的なアプローチとしてストレスを溜めない、自分の好きなことをする、魅力的な異性と接触してみる等があります。

ストレスを受けると視床下部の機能が低下してしまい、精巣からテストステロンを上手に出せなくなります。

現代人の生活を考えると、ある程度のストレスが毎日のようにかかっているわけですので、ストレスを完全に避けれられないと思います。

従って、これを何とか回避する術を身につけることが、テストステロンを正常に保つ秘訣になります。

そして、男性更年期で悩んでいる人が病院やクリニックで男性ホルモンを投与する治療を行うことがありますが、男性ホルモン投与にはメリットとデメリットがあります。

男性ホルモン投与のメリット

まず、メリットからですが、男性更年期障害で辛い思いをしている男性の治療として使われます。

それにより生殖機能の向上つまり性欲の向上につながり、記憶力・集中力・モチベーションがUPします。

さらに精神的安定を保ち易くなり、筋力量が向上します。

男性ホルモンが薄毛に繋がると言われていますが、実は男性ホルモンだけで薄毛の原因にはなりません。テストステロンと5α還元要素が合わさって薄毛の原因になるので男性ホルモン=薄毛にはなりません。

男性ホルモン投与のデメリット

そして、ここが問題です。

一部の泌尿器科で非閉塞性無精子症や精子減少(乏精子症)の男性に対して男性ホルモンが投与されている例が実際にあります。

しかし、これは全く効果がありません。それどころか逆効果となります。

男性ホルモンを投与することで最悪の場合だ無精子症に陥ってしまうことがあるのです。

妊娠希望の男性にホルモン注射は禁忌とする論文

論文を1つご覧ください。

Fertil Steril 2014; 101: 64(カナダ)
2008~2012年に男性不妊外来を訪れた4400名の男性のうち59名(1.3%)が男性ホルモン(テストステロン)を処方されていました。処方した医師の内訳は、内分泌科医24%、一般内科医17%、泌尿器科医15%、婦人科医5%、生殖内分泌医3%。ほとんどの方(82%以上)は性腺機能低下症(LOH)の治療目的で処方されていましたが、7名(12%)は不妊治療のために処方されていました。男性ホルモンを処方されていた方の88%は無精子症となっており、男性ホルモン中止後、半年で65%の人は精子形成が復活していました。

男性ホルモン投与には副作用がありまして、肝機能障害、赤血球増多症、脂質代謝異常、前立腺癌リスク増加などがありますが、最大のデメリットは造精機能障害という精子を作る機能の低下なのです。

上記論文だとなんと88%の男性が無精子症になり、投与中止後、半年で65%が回復していますが、35%は回復もしないことになります。

これは禁忌のレベルです。

特にアジア人が影響を受けやすい

妊娠歴のある男性に男性ホルモンを投与した場合、アジア人では90%以上、欧米人では60%が無精子症になるというデータがあります。

我々日本人も男性ホルモンの影響により、無精子症になる確率は世界でも高いのです。

男性ホルモン投与は避妊法の一つとして現在研究が進んでいるほどですので、これから妊娠を希望する男性は絶対に男性ホルモン投与はしないようにしてください。 

まとめ

 

まとめ
  • 更年期障害に対して男性ホルモンを投与することにはメリットがあるが、デメリットとして精液所見を悪化させる
  • 最悪の場合、無精子症レベルにまで悪化させてしまう
  • ホルモン投与を辞めたとしても35%は回復しない
  • アジア人が特にホルモン投与の影響を受けやすい
  • 泌尿器科医の中には男性不妊患者にホルモン投与する医師も中にはいる

泌尿器科医の中でも男性不妊をしっかりと理解している医師はそれほど多くなく、中には男性ホルモンを投与して無精子症にまで悪化させるケースもあります。

もちろん、泌尿器科医の中にも男性不妊に尽力されており、しっかりとした知識と経験のある医師もいます。

しかし、お住まいの周辺に専門医がいないことはしかたのないことであり、それがこれからの生殖医療の課題でもあると思います。

専門医がいないから、近くの泌尿器科で男性不妊治療をしている男性は意外と多いのではないでしょうか。

我々患者は助けを求めて医療機関に受診しにいくわけですが、ただ医師からの提案を全てYESで答えるのではなく、今では少し調べれば情報がある程度入ってくる時代です。

自分で調べてみるという習慣を身に着けていくべきですし、ちょっと詳し目の相談をすることで医師とのコミュニケーションになり、不妊治療をより良い方向へ向かわせてくれる1つの方法になっていくのだと思います。

 

参考文献

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