
有名な病院だったらやっぱり妊娠の確率も上がるのかな?
不妊治療の病院は何を基準に選べばいいのかな?
雑誌とかで紹介されている病院にすれば問題ないよね?
こんな疑問にお答えします。
- 決して「有名=腕がいい」わけではないことがわかる
- 病院選びで最も重要な基準がわかる
- 間違った病院選びをしないことで妊娠の確率が高まる
病院も1つの会社です
病院も1つの会社であることを理解しましょう。
当然利益を得る必要があります。そのためには客を呼ばないといけませんが、客というのは患者になります。
日本の病院やクリニックはその4割は赤字経営であると言われています。
これは人口に対しての医療施設が世界一多いというのが原因の1つで、要は客の奪い合いなわけです。
どの業界も同じような現象が起こっていますが、医療の世界でも同様な事が起こっています。
極端な例ですが、例えば不妊治療の場合、人工授精でも妊娠の可能性がまだ十分であるにも関わらず体外受精の提案をいきなりされる場合も存在します。
体外受精の方が費用は遥かに高額なわけですからそこから利益に繋がります。また体外受精以上を行ったという実績を積み重ねることができます。
この実績というのは病院やクリニック、あるいは医師の信用信頼を計る要素になりますので、ステップアップを早目に推奨してくる医師も中にはいます。
こういうことからも、医師からの提案をなんでもかんでも鵜呑みにして提案されるがまま行うのではなく、セカンドオピニオンや自分たちで調べて相談して意見を伝えるということも必要になっていきます。
医療という難しい分野であっても情弱は時に痛い目に遭いやすいということです。
有名だからといって不妊治療の腕が良い訳ではない
有名な病院だからといって腕が良い訳ではありません。
ここで言う有名というのは、雑誌に載っていて、その雑誌の一覧等でも一番最初に掲載されている病院であったり、インターネット上でもとにかくおすすめと言われている病院です。
大学病院のような大きな病院に関しては除外されると思いますが、独立開業したクリニック等をこれから受診しようと考えているご夫婦はご注意ください。
例えば不妊治療の病院を開業したとしましょう。そうすると広告代理店や不妊雑誌編集者から広告を出しませんか?と誘いが来ます。
お金がある病院は広告費を支払うわけですが、開業したての場合はそっちに力をいれる余裕はまだないので普通は断ります。
広告費はかなりの金額になりますので、広告を継続するとなると診察代を高くする必要がでてきてしまうのです。
そして広告代理店や雑誌編集者は広告費を支払っている病院やクリニックに有利な内容で情報を発信します。
つまり一覧等の最初に方に乗っている病院等は質ではなく、広告費で順番が決まっていることが多いのです。
ひどいところだと、広告費を支払っていない場合、嘘の情報で掲載される場合もあるそうです。
また内部事情を知っている医師の立場からすれば怪しい不妊治療施設まで大きく紹介されていて、逆に堅実な診療をしている施設はあまり載っていないそうです。
腕がいいから客が来るので利益が出て広告費を出せるという病院も当然ありますが、そのような病院は一握りと言われています。
そもそも口コミで広まるほど有名になっている病院は医師不足が深刻な日本の場合、広告はあまり必要ではありません。
よって有名だから腕が良いという訳ではありませんし、腕がいいからといって雑誌の一番に載っているわけでもないのです。
それでも雑誌やネットで病院を探すのが普通
それでも不妊治療の場合、他人にも相談しずらい内容ですので、自分たちで雑誌やネットから調べて病院を探すと思います。
不妊治療紹介雑誌は普通に書店でも販売されていますし、不妊治療を始めようという方はこのような雑誌を見て、目立つところ・先頭に来ている病院を良い施設だと思って受診する場合がほとんどでしょう。
しかし、上記理由からもそれは決して正しいとは言えません。
広告費をたくさん費やす治療施設では治療費用は高額化し、妊娠の可能性が極めて低いカップルであっても構わず治療対象者として獲得していくことでしょう。
広告費を支払うところを先頭に目立つように掲載するだけで、実際の治療実績や診療技術を客観的に評価して反映させたものでは決してないのです。
自由診療を主とする顕微授精の周期数が多い不妊治療施設に特に多く見られ、健康保険で診療を行う通常の病院ではまずありません。
ですから体外受精以上の不妊治療をこれから考えているご夫婦は治療を行う病院を慎重に探して欲しいと思います。
何を基準に不妊治療の病院を探すべきか?
こちらの記事で病院選びのポイントを4つ紹介していますが、その中でも重要なのは2つです。
1つは通院しやすいという点。2つ目は口コミや実際に受診した人による経験談から判断するという点です。
この2つに勝るものはないと思います。
通院しやすさというのは非常に重要です。「遠くの名医より近くの並医」という言葉があるくらいです。
私たち夫婦の話をして申し訳ありませんが、私たちが最も重視したのは通院の距離です。車で1時間以内であれば大した影響はないと話し合って決めてその範囲内で探すことにしました。
2時間以上片道で時間を要する遠方の場合、様々な制約に縛られる可能性があります。
不妊治療で最も足を運ばなくてはいけないのは奥様です。男性不妊であっても奥様になるのです。
また今では共働きのご夫婦も多い事と思いますので、仕事の合間合間を縫って通院できる範囲にはある程度の限界があります。
不妊治療を開始したからといってすぐに妊娠できるわけでもありません。時間がかかるにつれ通院の時間も苦しいものになっていくことでしょう。
以上の点から、通院しやすい一定の距離や時間以内で病院を探すべきです。
そして2つ目の口コミや経験談などから判断するという点。
この点で注意しなければいけないのは★の数やランキングは当てにしてはいけないということです。
上述したように雑誌によっては広告費等でいくらでもランキングを変えることができる上、その病院で見事妊娠することができたら評価は高くなるのは当然です。
本当は大した病院ではないのに、妊娠したので評価が高いとなりやすいのが不妊治療の特徴なのです。
治療知識や技術、親身になって丁寧に教えてくれる、環境などは2の次に評価されることもあります。
また評価が低い場合、受付の態度が悪いとか、混みすぎて待ち時間が長い、先生があまりしゃべってくれないなどが意外と多いのです。
口コミや経験談で知りたい・聞きたいことはそこではないはずです。
その病院は信頼できるのか、信用に値するのか、自分たちに合った治療方針を提案してくれるのか、しっかりした説明はあるのか、妊娠し出産することを何よりも第一に考えてくれているのか、こういうところを知りたいはずです。
ですから★の数やランキングではなく、実際にそこで治療を経験した人の声を1つ1つ読んで、自分に合った、ご夫婦に合った病院や医師を探してみてください。
私たち夫婦の場合、車で1時間の範囲内で、口コミや妻の友人を伝って聞いた評判を考慮した上で選択しました。ですから病院に関して他はないと考えて受診しましたので不安はありませんでした。
まとめ
- 日本の病院の4割は赤字経営で、病院も利益を求める存在である
- 有名・目立つからといって腕が良い病院というわけではない
- ランキングは質をしっかり反映しているとは限らない
- 遠くの名医より近くの並医
- 口コミや経験談を聞く・読む以上の情報はない
まだ不妊治療を開始していなく、これから探そうとしているご夫婦はピンとこない人もいるかもしれませんが病院選びは本当に重要です。
場合によっては妊娠までの期間が変わりますし、妊娠できるかどうかも変わってしまう可能性さえあるのですから。