
不妊外来はいつ、どのタイミングで行けばいいですか?
不妊の病院はどういうところを選べばいいのでしょうか?
病院選びのポイントが知りたいです。
こういう疑問にお答えします。
「赤ちゃんがほしいのにできない。一度、病院で診てもらおうかな」そう思ったとき、どの病院に行ったらいいんだろう?いったい、どんな検査をするんだろう等々、いろいろな疑問や不安が浮かんでくるでしょう。
- 不妊外来へ行くタイミングがわかる
- 不妊治療の病院選びのポイントがわかる
- 適切なタイミングで適切な病院へ行くことで妊娠の確率が上がる
不妊治療を始めるタイミング
まずは、自分たち夫婦の状況確認からしていきましょう。なによりもまずこれが先決です。
失礼ですがあなた方ご夫婦はそれぞれ何歳ですか?結婚して何年ですか?赤ちゃんが欲しいと思ってから何年ですか?
妊娠というものは年齢制限があります。
特に女性の場合は35歳を過ぎると一気に確率が減少し、40代後半にはほぼ不可能とさえ言われています。
男性はというと、35歳から徐々にですが精子の力が減少していきます。
女性よりは年齢制限という概念がありません。それ故、ご夫婦の年齢が非常に重要になります。
年齢別の妊娠確率や流産確率についての記事はこちらです。
20代から30代前半の場合
妊娠適齢期真っ只中ですので、妊娠を妨げる原因がなければ避妊をしない性生活を送ることで85%近くが妊娠します。
半年で約半数、1年以内に80%、2年以内に90%と言われています。この期間内でないであれば、まだ不妊治療は早いかもしれません。
ただし、月経不順がある、月経痛がきつい、性行為中に痛みを感じるなどの症状がある場合には、一度婦人科で検診を受けたほうがいいと思います。
妻の年齢が30代後半の場合
妊娠適齢期からは遠くはありませんが、女性の年齢は妊娠、出産に大いに関わってきます。
卵の数が減少することと、卵子の質が低下することが原因です。
結婚から年数が浅く、また避妊を解禁してから年数が浅くても、1年を経過しても妊娠の兆しがないようなら、一度検査を受けてみましょう。
妻の年齢が40代の場合
妊娠適齢期とは言い難い年齢です。妊娠については、大変個人差が大きく、問題なく妊娠、出産する方もいれば、難しい方もいます。
妊娠への希望がある場合、不妊治療をする、しないではなく、早期に検査を受けてください。
【不妊治療】病院選びの4つのポイント
不妊治療は専門的でわかりにくいと感じられるかもしれませんが、そんな不安や疑問をたくさん抱えて治療にあたるのは、気が進みませんよね。
特に男性は病院が嫌いですから本当に行きたくない旦那さんが多いです。
少しでも不安を軽くし、安心して治療できるように、病院選びのポイントについて説明します。
ポイントは大きく分けて4つです。
- 何科で治療をするのか?
- 病院の規模
- 通院のしやすさ
- 評判
不妊治療は何科を受ければいいのか?
女性の年齢がまだ若く、避妊期間も短い場合には近所の婦人科へまず行ってみるのがいいです。
30代後半、40代の場合には、不妊原因が見つかった場合に、すぐに治療に入れるということから考えて不妊専門の方がいいと思います。
また、近所の婦人科に産科もある場合には、妊婦さんや赤ちゃんも診察に訪れます。その姿を見るのが苦しいという思いがあれば不妊専門の病院、クリニックの方がストレスが少ないでしょう。
男性だけの場合は泌尿器科でまずは精液検査を受けましょう。男性の不妊原因はおよそ50%にも及んでいます。
女性の検査や治療は心身ともに負担が大きいのでまずは旦那様のみ検査を受けてみるのもいいかもしれません。
精液検査は今では自宅でも簡単にすることが可能です。ただし、結果が悪く病院へ行ったとしても再度病院にて精液検査をすることになるでしょう。
しかし、日々の精子の状態を確認したり、とにかく精子が作られているのかどうかだけでも知りたい場合は是非行ってみてください。
精液検査の方法についてはこちらになります。
大きな病院かクリニックか
大学病院や総合病院などでは、医師の数が多いので担当医制をとっているところでなければ、診察の度に医師が変わることになります。
また、クリニックでも複数の医師がいる場合には同じようなことがあります。担当医制の場合には、基本的には同じ医師が診療を担当するでしょう。
同じ医師でなくても大丈夫であれば、複数名の医師のいる大学病院や総合病院、クリニック。
担当医がかわるとコミュニケーションをとるのが大変かもと心配であれば担当医制、または1人の医師が診ているクリニックがいいでしょう。
私は1人の医師が見ているクリニックにしました。人が変わると判断もかわるかもしれないと考えたからです。そこはご夫婦が相談して決めるといいでしょう。
通院のしやすさ
不妊治療は、自分の都合で進められるとは限りません。
仕事やさまざまな用事よりも優先させなければならないことも出てきます。そのとき、通院のしやすさは重要なポイントになります。
自宅と病院まで、または職場から病院までの交通機関は何か?時間はどれくらいかかるか?マイカーを利用する場合には、駐車場の問題などもあります。それぞれの費用も合わせてチェックしておくといいでしょう。
私の場合は隣の市まで車で通院していました。1時間かからないくらいです。多少大変ではありますが、距離よりも信頼できて、実績のある、評判のいい医師を選ぶことも大切です。
当然中には飛行機で九州などまで行って治療を毎回するご夫婦もいます。
評判はどうか?
本や雑誌、インターネットなどで目星をつけた病院やクリニックのことを調べるべきです。
その病院、クリニックの特徴がよくわかりますし、治療方針もよくわかります。インターネットでは、自分の気になるキーワードをいくつか重ねて検索してみてください。
治療成績については鵜呑みにはできません。病院、クリニックごとに算定方法に違いがありますので、参考程度にしましょう。
友人等から評判の良い医師や病院を聞くことも重要です。
日本生殖医学会のホームページには生殖医療専門医の一覧と病院名が記載されています。この一覧からお住まいの地域から近い病院を探してみるのもお勧めです。
不妊治療の初診は誰でも緊張します
初めて不妊外来へ行くときは非常にドキドキするものです。私も妻と一緒に初めて受信して、精液検査を受けたときは緊張しました。
ネットや友人から色々聞いて調べて、相談した上で決めた産婦人科でした。
やはり辛かったのはお子様連れの方がいたり、スタッフが女性だったところです。
待合室で待っているほとんどが女性ですし、男性が私だけというところが非常に嫌な感じだったことを覚えています。採取した精子を渡す人も女性でしたし。
それでも夫婦の宝物ができるかできないかは人生で非常に大きな岐路だと思います。
旦那様は病院に行き慣れていませんよね?それでも奥様は子供が欲しくて欲しくてたまらないのです。不安なのです。
旦那様だけ、奥様だけではなく、できれば夫婦二人で外来に足を運ぶべきだと思います。
まとめ
- 不妊治療を始めるタイミングはまず夫婦の状況を確認してから
- 特に女性の場合は男性よりも妊娠できるリミットが短い
- 基本的には奥様の年齢で判断し、20代・30代前半・30代後半・40代で分けて判断する
- 病院選びポイントは、①何科を受けるのか、②大きな病院か個人病院か、③通院がしやすいかどうか、④評判はどうか、で選ぶのが良い
- 妊婦さんや、赤ちゃん、子供連れの姿を見るのが辛く苦しいという気持ちがあるのであれば、不妊専門病院で診てもらうのが良い
不妊治療をしたからといってすぐに妊娠できるわけではありません。3か月で妊娠する人もいれば、10年経っても妊娠できない人もいます。
治療期間が長くなればなるほど、周囲の妊婦さんや赤ちゃんを見るのが苦しくなってくるものです。
私ですら、不妊治療中、待合室で一緒に待っていた妊婦さんや赤ちゃんを見るのが辛く、あまり見ないようにしていたほどです。
あなたがどれくらいの期間で妊娠するのかは誰にもわかりませんが、できるだけ早く、不妊治療を開始することが、後悔が少ないと思います。
ポイントを4つ挙げましたが、その中でも特に重要なものは2つです。
この2つは必ず押さえてください。
参考文献