
- 精子の質を良くする方法が知りたい
- 精子の質を高めるにはどうしたらいいの?
- 歳が歳なので精子の質を改善する方法はありますか?
- 男性の妊活で精子を良くする方法はありますか?
- 妊娠しやすい精子にすることって可能なの?
こんな疑問にお答えします。
年齢を重ねることで精子も卵子も老化すると言われていますが、老化をする=質が低下するということです。
では精子の質とは、どういうものを指すのでしょうか?
- 精子の質を改善する方法がわかる
- 改善することで妊娠しやすい精子を作る可能性が高まる
- 結果、妊娠の確率が高まる
精子の質には当然、良い精子と悪い精子があるのですが、男性はおそらくあなたも含めて「自分の精子が質が悪いわけがない」と思っていることと思います。
でもそんなことはなく、精液所見(状態)は簡単に変化し、良くも悪くもなります。

私も自分の精子に問題があるなんて微塵も思っていませんでしたが、蓋を開けてみたら精子の数も運動率も悪い男性不妊だったのです。
この記事では、あなたの精子の質を改善する方法をまとめていますので、読み終えた頃には、はやく自分の精子改善に取り掛かりたくなることでしょう。
精子の質ってどういうこと?

そもそも精子の質というのは、何を指す言葉なのか?
「精子の質が良い」=「妊娠しやすい精子」と置き換えることができます。
さらに妊娠しやすい精子ということは、受精を促す先体反応が起こりやすく、流産リスクが少ないということも意味しています。
人は年齢を重ねることで精子の質が低下していきます。境目は35歳付近からです。
これは生殖機能のエネルギーであるミトコンドリアの機能が低下することで、精子や卵子に天敵の活性酸素の除去を効率良く行えなくなるからです。
年齢を重ねることでダイエットしにくくなることもミトコンドリアの機能低下が原因の1つです。
そして、この活性酸素によって精子DNAにダメージを与えてしまい、そのダメージが蓄積されることで精子の質が低下していってしまいます。
精子DNAへのダメージと妊娠率には大きな関係があるとされる報告は非常に多いです。
体外受精を受けられた3106組のカップルで調べたところ、SDFの割合が高いとIVF群とICSI群いずれにおいても流産率が高く、その割合は2.28倍(オッズ比)に上昇する。
SDFというのが精子DNAダメージです。
ダメージが多い方が流産率が高くリスクが高いことを意味しています。
精子の質が悪いということは、妊娠するという目的だけに留まらず、元気な赤ちゃんを無事出産することができるかという流産率にまで関係しているということです。
精子と卵子の質という観点からも、高齢での妊娠出産確率が低くなるということがわかるかと思います。
精子の質を確かめる方法

では精子の質はどうやったら確かめることができるのかでしょうか?
精子は精液検査によって精子数・精子運動率・精子奇形率というステータスが数値として表示されます。
妊娠しやすい精子ということはこの精子数・運動率・奇形率に異常がないということも重要ですので、大きな枠組みで考えると精子の質という考え方になります。
精子は肉眼では見ることができません。
精子の状態を確認するには精液検査を受ける必要があります。
男性不妊等で病院やクリニックに通院している場合は、その都度確認が可能ですが、自宅でも確認できる精液検査キットがあります。
世の中には何種類か精液検査キットがありますが、私が使ったことがあり、病院でのデータと大きな違いがないキットをご紹介します。
自宅でのキットの場合、時間経過による精子の劣化も考えられますが、病院へ行く手間も省けますし、なにより病院で受けるより値段が多少安いというところがお勧めな点です。
また精子は日々、体調等により簡単に状態が変化します。どれだけ精子を溜めているかでも変わりますので、何度が検査をしたほうが良いでしょう。

毎日一定の精子状態である男性は世の中に存在しません。
また、精子を画像等で見ることができるキットは多いのですが、どちらも経験した立場から言わせてもらえば、見てどうするの?です。データだけわかればそれで十分だと思います。
ただ、精子DNAダメージを見ることはできません。
これは病院やクリニック等であっても判断することが非常に難しい部類となりますし、まずわからないでしょう。
高度な一部施設によっては精子のミトコンドリア反応を色によって目視できる施設もあるにはありますが、限られた極一部の施設限定ですので、あなたのお住まいの地域周辺にあるとは限りません。
さらにこの検査だけでも費用がかなり掛かってしまいます。
ミトコンドリアの活性レベルを色によって確認することは可能ではありますが、だからといって質が良いのかというレベルまで判断することは残念ながら難しいのが現実です。

それでも、精子の質というのは存在し、妊娠に大きく影響を与えるのです。
精子の質を良くする6つの方法
精液量、精子数、精子運動率、精子奇形率を改善することは精子の質向上に繋がりますが、これらについては別記事で説明しています。
精子の数を増やす方法はこちらをご覧ください。
精液の量を増やす方法はこちらをご覧ください。
精子運動率を高める方法はこちらをご覧ください。
精子奇形率を改善する方法はこちらをご覧ください。
今回は精子の質に最も関係しているであろう精子DNAダメージを減少する方法に焦点を絞っていきたいと思います。
加齢だけは誰しも避けて通ることはできません。
卵子が加齢によって老化することは有名ですが、精子も35~42歳を境に老化が始まり、妊娠に至るまでの期間が長くなることが判明しています。
- 年齢を重ねる
- →ミトコンドリアの機能が低下する
- →活性酸素が増加し、生殖機能のエネルギーが減る
- →除去されない活性酸素により精子DNAダメージ蓄積
- →精液所見(状態)悪化、精子の質低下
- →妊娠率低下、流産率向上

加齢による不妊の原因は上記流れのように考えられています。
実は原因不明不妊の原因には加齢も含まれています。
流産は妊娠の7分の1を占めていると言われていますが、その多くは染色体異常など原因がありますが、一昔前では女性が主な原因などと言われていました。
しかし、今では研究が進み、精子の質によって流産リスクが向上することがわかっています。
流産は男女ともに原因があるのです。
何度も繰り返す習慣流産には、男性の精子のDNA異常が原因である可能性があることが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのChanna Jayasena氏らによる研究で明らかになった。
流産を続けて3回以上繰り返している女性のパートナー50人の精子の質を分析した結果、流産を経験したことがない女性のパートナーと比べて、繰り返し流産した女性のパートナーでは、DNAが損傷した精子の割合(精子のDNA断片化率)が2倍であることが判明。精子のDNA損傷は活性酸素種(ROS)と呼ばれる分子が原因ではないかと考えられている。精液中のROSは精子を細菌感染から守る働きを持つが、高濃度になると精子のDNAにダメージを与える可能性がある。この研究では、流産経験がない女性のパートナーと比べて、繰り返し流産した女性のパートナーでは、精液中のROS濃度が4倍であることも明らかになった。
精子の良し悪しが妊婦の健康状態に関わるというエビデンスにも繋がり、さらには胎盤の形成に精子の質が関わっているのではないかと示唆されてもいます。
まだまだ生殖に関しては世界中で研究段階であることには留意すべきであるが、せっかく授かった赤ちゃんを流産で無くさない為にも精子の質を高めていくことは重要なのです。
以上を踏まえて、精子の質を良くする方法を6つご紹介していきます。
精子の質を良くする方法①「禁煙」
タバコはミトコンドリアの活性を低下させます。
健常男子の精子にタバコの抽出物を暴露させ、運動率、ミトコンドリア膜電位を分析しました。タバコ抽出物は、精子の運動率を用量依存性、時間依存性に低下させ、精子の動力エネルギーであるミトコンドリア膜電位を低下させました。
タバコによって起こるDNAダメージは受精卵にも影響する事が判明しており、胎児の奇形率、癌、遺伝病のリスクをも増大させます。
タバコは精液中の白血球を増加させ、活性酸素を増加させるため、酸化ストレスによるDNAへのダメージが増加します。

ミトコンドリアへも影響があることを考えた場合、35歳以上で不妊状態の男性がタバコを吸っていた場合のリスクというものは計り知れません。
今すぐ辞めて、精子の質を向上し、妊娠を目指すことを強くお勧めします。
タバコと不妊の関連性については、禁煙をしないと手遅れに【タバコは妊娠の天敵】精子に及ぼす悪影響をご覧ください。
精子の質を良くする方法②「運動」
運動することで精子力が一定までは改善することが徐々に判明してきていますが、大切なのは運動をすることでダイエットに繋がるということが重要なポイントです。
精子は熱に弱く、精巣の温度が上昇することで精子の数や運動率が減少することは有名です。
そして太りすぎることで、精巣の温度が上昇することに繋がりますので、運動をしてダイエットをすることは精子の質を上げる1つの方法になります。
肥満男性の精子の奇形として、頭部が薄かったり、洋梨状に細長かったりする傾向も見られ、これらの異常が性交や体外受精による着床をより困難にしている可能性が示唆されました。
肥満は、精子の量・数・運動率・濃度ともに全てにおいて低下させるということです。
さらに奇形率を上昇させ、DNAへのダメージが増加するという深刻な状態となりますので注意が必要です。
肥満と不妊の関係については、このままじゃダメだ【肥満は男性不妊の原因に】太りすぎは精子を悪くするをご覧ください。
精子の質を良くする方法③「栄養不足解消」
栄養はあなたが思っている以上に精子や卵子には重要です。
栄養不足は日本だけでなく今や全世界の問題となっていて、世界中の男性精子が減少しているとWHOが報告していますが、その原因の1つが栄養不足と言われています。
昔と比べ、日本人は日本食を食べる機会が減少し、食事が欧米化しており、ジャンクフードやコンビニ弁当を食べる回数が増えています。
このジャンクフードやコンビニ弁当、レトルト、加工食品を食べ続けるだけでも精子力は減少することがわかっています。
健康的な食生活は、精子濃度、総精子数、前進運動精子、総運動精子数との強い関連を認めました。特に総運動精子数が1000万未満の場合に顕著でした。
乏精子症の男性では肉類と甘味の摂取が有意に多く、正常精液所見の男性では果物、野菜、スキムミルク、鶏、魚の摂取が有意に多く認められました。
食生活の片寄りは精液所見の低下を招きますし、健康的な食生活を行うことで精子の質が正常であることを示しています。
上記論文では不摂生=精子を衰えさせるとは判断していませんが、栄養不足でない人ほど精子の質が良いということから考えると、万遍なく栄養を摂取している方が精子の質が正常を維持でき、それが妊娠の確率向上に繋がります。
ともあれ食生活の変化が現在の精子運動率減少を招いている大きな要因の一つです。
食事から摂取する栄養は身体全ての資本です。
それは精子も例外ではありません。

栄養を一から見直すことが精子の質改善への大きな一歩となります。
栄養と不妊に関しては、【実証済】栄養不足解消が精子改善の鍵【地球上NO1栄養スピルリナ】を読むと分かると思います。
精子の質を良くする方法④「抗酸化物質」
男性不妊改善といえば抗酸化物質と言われるほど、抗酸化は精子改善に大きな期待が持てます。
不妊専門のクリニック等でも、不妊治療のスタートで、抗酸化物質による薬物療法を勧めるところは非常に多いのです。
精子は活性酸素の影響を受けやすく、そのダメージが精子の質に影響してしまいます。それは卵子も同様です。
抗酸化物質はその活性酸素を除去する効果があります。
抗酸化物質には種類がたくさんありますが、おすすめなのはビタミンE・コエンザイムQ10・リコピンの3つです。
ビタミンEはサプリだけでなく、医薬品としても販売されている点がその他の抗酸化物質とは違います。
ビタミンEは、1日の摂取を150~300mgにすることで25~45%に有効である
結果、精子数・濃度上昇・運動率上昇・形態の向上すべてにおいてコンザイムQ10は改善効果がみられた。
リコピンはなんとビタミンEの100倍の抗酸化力があると言われています。
さらに、精巣で高濃度で蓄積されることが判明していますので、精子を活性酸素から守ることで精子DNAのダメージを減少させているのです。

ちなみに個人的な考えですが、コエンザイムQ10≧リコピン>ビタミンEの順で効果があると思っています。
ただ効果には個人差がでますので、色々と服用してみるのがいいかと思います。
精子の質を良くする方法⑤「ミトコンドリア」
ミトコンドリアの機能が加齢によって低下するのであれば、もう直接ミトコンドリアを活性化させてしまおうというのがミトコンドリアサプリになります。
ミトコンドリアの研究は現在進行形で進んでいて、まだ全てを解明できたわけではありません。
これを飲めば必ずミトコンドリアが活性化するという成分は判明していませんが、研究結果や論文等から効果が見られた成分を元に、徐々にミトコンドリアサプリが発売されています。
サプリメント全てに言えることなのですが、どれを服用すればあなたのミトコンドリア活性化に繋がるのかは残念ながら飲んでみないことにはわかりません。
それでもミトコンドリアが老化を始める30代中盤あたり以降のご夫婦は、ミトコンドリアサプリを試してみる価値があると思います。
不妊とミトコンドリアの関係については、30代以降の妊活中ご夫婦に【人気のおすすめミトコンドリアサプリ】をご覧ください。
精子の質を良くする方法⑥「DHEA」
DHEAは40代以降の不妊の最終兵器と言われていました。
これは男性のみならず女性にも有効で、精子と卵子の質を高め、生殖機能に対する効果として非常に高い数値を叩き出していました。
しかし、2019年初頭に日本はDHEA輸入規制を行うことになってしまったのです。
大きな改善ができる反面、その副作用や依存性が問題になったというのが理由です。
それ故、今では個人輸入することができず、日本では病院やクリニックからの処方でしか手に入れることができません。
どうしても服用したいのであれば病院で処方してもらいましょう。

もしそれができない場合でも類似品のジオスゲニンという成分がまだあります。
ジオスゲニンは依存性や副作用がほとんどありませんので安心して服用を継続できるという点で注目を集めています。
日本では手に入らないDHEA類似品ジオスゲニンに関してはDHEAが輸入禁止でもう買えない!代替品ジオスゲニンがおすすめ!をご覧ください。
まとめ
- 「精子の質」は「妊娠しやすい精子」であり、精子DNAダメージが大きく関係している
- 精子DNAダメージを確認する方法は基本的にはなく、ミトコンドリアの状態を確認する方法も一部施設にしかない
- 精子の質を良くするには6つの方法があるとされている
精子の質というものは非常に難しいです。
なぜなら判断ができないからです。

しかし、確実に精子DNAへのダメージというものは存在しています。
精子は射精する時、必ず精巣上体を通過しますが、この際、必ずといっていいほどダメージを受けます。
さらに活性酸素でダメージが加わっているわけですのでノーダメージということはまずありません。
不妊原因で原因不明とされる場合もありますが、その1つがこのDNAダメージや老化、加齢が関係しているのです。
だたわからないからといって、何もせず、妊娠の確率を下げていってはいけません。
少しでも良いと言われている方法を取り入れて、継続していった先に妊娠という奇跡があります。
特に30代後半のご夫婦は、この精子の質や卵子の質について考える時期かなと思います。
精子力改善はあなた次第です
私は精子の数が50万しかいない高度乏精子症で、精子運動率も30%台の精子無力症を併発していました。
それだけではなく、膣内射精障害をも患っていたので、自然妊娠が困難な男性不妊でした。
子供が欲しくて欲しくてたまらなく、子供がいない人生は考えていませんでしたので、突き付けられた内容に当然ショックを受け、同時に男性としての存在価値を否定された気持ちでいました。
それでも子供を諦めることができなかったので、生活環境を改善し、精子について勉強して、精子に良いと言われているサプリを継続したことで精子数は40倍の2000万に、精子運動率は2倍の60%台にまで回復できました。
私には時間も余裕もなかったため、一度にたくさん行いましたので、どれがどの程度効果があったのかは知る余地もなく、確認の仕様がありません。

それでもあの時、一大決心をして、継続できたからこそ、最愛の娘に巡り合えたと思っています。
あそこで頑張らなければもしかしたら今も不妊で悩み続けていたかもしれません。
男性不妊で悩んでいるのであれば、今のあなたの現状を把握し、あなたが今できることを見つけ、それを改善することを早期に取り掛かるべきです。
あなたが何歳なのかはわかりませんが、不妊治療を経験した人は皆「もっと早くやっていればよかった」と必ず後悔します。
大人になってもっと勉強していればよかったと思うのと同じで、今はよくわからないかもしれませんが、いずれそう思います。そういうものなのです。
妊娠には年齢という容赦ないリミットが存在します。
あなたの、あなたの奥様の年齢によっては妊娠が手遅れになる可能性があるのです。
ですから、今の妊娠できるという時間をどうか大切に過ごしてください。

そのために、あなたが自分で決めたこと1つでもいいので、継続してみてはいかがでしょうか?
想像してみてください。
あなたの今の迷いのせいで、妊娠するチャンスを逃し、周囲は子供がいて幸せそうなのに、自分には子供がまだいなく、もどかしい生活を送っている姿を。
想像してみてください。
子供が欲しくて欲しくてたまらないのに、愛するあなたの不妊が原因で泣いている奥様の姿を。
想像してみてください。
今、男性不妊や精子力改善に取り掛かったことで数か月後に精子力が改善し、奥様の妊娠が判明して、かわいいお子さんが産まれている姿を。
不妊治療には、まだいい、後でいいはありえません。
妊娠の可能性は1か月に1度しかありません。
1年に12回しかありません。
12回中12回挑戦できる保証もありません。
妊娠を諦めないでください。諦めるのはやれることを全てやってからでも遅くはないのではないでしょうか。