衝撃的なニュースが2020年2月中旬に目に飛び込んできた人もいることでしょう。
新型コロナウイルスに感染すると不妊になるというニュースです。

このニュースがもし本当ならただ事ではありませんので書かないではいられませんでした。
発端はタイの医療サイト
事の発端はタイの医療系サイトであるThailand Medical Newsが、2月16日に配信したものなのですが、その内容は中国人のワン・ジャンチン医師が率いる南京医科大学をはじめとする研究チームの最新研究を紹介するものでした。
BREAKING NEWS! Latest Research Published by Chinese Scientists Say Coronavirus Might Render Certain Male Patients Infertile
日本語に訳すとこうなります。
「速報!中国人科学者の最新研究によると、コロナウイルスによって、男性患者は不妊症になる可能性がある!」
簡単に説明すると、ACE2受容体と結合してコロナウイルスは体内に侵入するのだが、ACE2受容体は精巣組織にたくさんあるため、コロナウイルスが精巣にダメージを与えて男性は不妊になるというものです。
これは特に男性には衝撃どころの話ではなく、今以上の少子化待ったなしかと思いましたが、まだ新型コロナウイルスはその全貌がわかっていませんので情報全てを鵜呑みにすることはできません。
この研究自体は間違いではないのかもしれませんが、臨床研究を経て初めて確証が持てるものですので、今後長期的に調査研究をしなければエビデンスとはなりえません。
ですので今の段階ではそれほど気に留める必要はないでしょう。
不妊云々よりも、確実に感染しているかしていないかを測定することや、新型コロナウイルスを治療するワクチンなりドラッグを開発することが先決ですよね。
出産を控えている妊婦さんが感染したらどうなるか?
未知のウイルスなので、症例も少ない状態ですが、今の段階で10名近くの妊婦さんが新型コロナウイルスに感染しているという報告があります。
結果をまとめると・・・
- 出産した赤ちゃんへの感染はなく、胎内感染否定的
- 胎児奇形の報告なし
- 妊婦の肺炎重症例なし
- 流産や早産の可能性も高くなってはいない
こんなところになります。
ただ、こういう重要なことは自分で判断してしまうのは危険ですので、現段階ではコロナウイルスに関しては厚生労働省HP以上のところはないはずです。必ず確認するようにしましょう。
また、日本産婦人科感染症学会からこれから妊娠を目指す方へのアドバイスが出ていましたのでご覧ください。
妊産婦、妊娠を希望する⽅へのアドバイス
H1N1 インフルエンザ A2009 では妊婦における重症化や死亡率の増加が報告され,2016年のジカ熱では妊娠中の感染により⼩頭症など重篤な児の先天性障害を来すことが報告されています。しかし、新型コロナウイルスでは感染者数の最も多い中国湖北省でも、現時点で妊婦における重症化や胎児障害の報告はありません。しかし、⼀般的に、妊婦さんの肺炎は横隔膜が持ち上がり、うっ⾎しやすいことから重症化する可能性があります。妊婦さんは特に⼈混みを避ける,マスクをかける、こまめに⼿洗いするなどの注意が必要です。医療機関にはコロナウイルス感染以外にも、インフルエンザをはじめとする感染症の患者さんがおいでになりますので、⽇本産婦⼈科感染症学会では妊婦健診と発熱外来,旅⾏者外来などの待合室や動線の分離,呼吸器症状のある⽅へのマスク着⽤を提唱しています。
子供が感染したらどうなってしまうのか?
こちらも現段階でのものなので全然確証ということではないのですが、子供が新型コロナウイルスに感染した場合の回復転帰のデータとなります。
- 34人の子供が感染
- 14人は男、20人は女
- 基礎疾患は一人もいなく平均で8歳
- 危篤や重症にまで至った子供がいません
- 34人全員回復し退院済み
ここだけを見ると少し安心する親御さんもいるかもしれませんが、新型コロナについてはこれから様々な報告が出てくることでしょう。
最新の情報は日本小児科学会で知ることが可能です。
我々日本人ができること
当サイトを読んでくれている方はご存じかもしれませんが、私はドラッグストアで働いていますので、今現在の国民の関心や同行、何を求め何を買っているのかなど目の当たりにしています。
最近は若い人までイライラしている感じが増え、我先にと列をなしてマスクなど必需品を求めています。
デマに流され、ティッシュやトイレットペーパー、おむつなどのまとめ買いもありました。
感じることは、まずとにかく自分と自分の家族なんだな、ということ。

当然ですよね。それが人間です。
でも全国に蔓延してしまうとそれすら守れるか危ういのです。
とにかく、今、国民全員で感染拡大を食い止めないと、大切な人を危険にさらしてしまうかもしれません。
現在商品が不足していてマスクを持っていない人もいるかもしれませんが、マスクをするべき人は感染している人や妊婦、疾患がある人です。
そのマスクもあまり効果がないという見解もあります。
最も大事なことは、手洗い・うがい・人混みを避ける、換気という誰でもちょっとした意識だけで変えられることですので、できることをやり続けていくことが重要になると思います。
参考文献
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